西田 × 元谷 ×西部 対談 第二週 【西部邁ゼミナール】ビジネスマンの国家論【2】

◼️西田 × 元谷 ×西部 対談 第二週

西部邁ゼミナール】ビジネスマンの国家論【2】2013.11.09


参議院議員 西田昌司
近著『総理への直言』ー“国会の大砲”が暴く、JAL再上場、デフレ、TPP、憲法改正のウソ!(イースト新書)

近著『誇れる祖国「日本」』ー 真の近現代史を読み解き、民族の誇りを取り戻せ ー(幻冬舎

評論家 雑誌『表現者』顧問 西部邁
福田恆存を語る会」 11月17日(日)午後二時より【会場】ホテルグランドヒル市ヶ谷 【主催】現代文化会議 【講師】西部邁
【会費】2000円 事前予約 TEL 03ー5261ー2753

西田昌司
先週も随分盛り上がったのですが、私がいちばん元谷代表にお聞きしたいのはですね、「ビジネスの世界では、日本から中国へどんどん投資をして、ビジネスチャンスがあるのだからやっていこう」そういう方が多いですね。また、ビジネスマンの代表のような方が中国大使になったりも民主党政権時にありましたから(※丹羽宇一郎伊藤忠商事会長)、でも元谷代表はちょっと「そういう路線」とは一線を画しておられると思うのですよ。

(※「参考」月刊WILL 2012年7月号より/ 伊藤忠役員時代の発言
▷作家の深田祐介は、かつて丹羽が伊藤忠商事の役員時代に面談した際、「将来は大中華圏の時代が到来します」と言い切り、「すると日本の立場はどうなりますか」と反問する深田に対し「日本は中国の属国として生きていけばいいのです」と続け、「日本は中国の属国にならなくちゃならないんですか」と深田が聞き返すと 、「それが日本が幸福かつ安全に生きる道です」と繰り返したという)

まぁ、私はいま「アパの長期戦略」として、次は2020年に必ず東京五輪になると。それに向けて、東京に圧倒的にホテルをつくろうと。中期五カ年計画で東京都心に50ホテル・30マンションつくるということを <3年前から(※開催地決定以前から)>、その頃はリーマンショックの後で地価が下落して、銀行は一切お金を貸さなかった。私はぜんぶの銀行融資をキャッシュで返した。どうしてか?実は人よりも先に「耐震不足報道」をされまして、「返せ返せの大コール」をファンドバブルの頂点(※リーマンショック前に)に受けたのです。いちばん土地の値段が高い時に売って返して、売って返したら「ぼろ儲け」で(一同大笑)、(結果的に)マンションの建築資金まで先に売って返してしまった。その後でマンションができて売れたら、お金を持っていくところがない。どんどんどんどん入ってくる。「この入ってくるお金をどうしようか?」と。そうだ!これで東京都中の土地を買いまくれ、ということではじめたのが(※東京五輪開催決定を見通した)アパの長期戦略です。

西田昌司
それで一声あったじゃないですか? 中国に行かれるのは経営者の直感で、これは損をするという?!

そうですね。私はよく誘われて「中国でホテルを建てないか?」と言われたけども、《中国の報道は全ていい話だけ》です。【日中記者交換協定】によって『中国の悪口は書かない!』ということで中国に心酔した、ほとんど8割ぐらいの会社は撤退していますけど、みんな【大損】こいています。その大損こいて撤退する時に、《みんな置いていく。ところが置いていくだけでは足らず、「違約金がある」と、日本まで追いかけてきて金をむしり取る》と。こんな国がどうしてあり得るのか?  やっぱり(今の日本という)軍事力というか、力の背景の無いところに進出した結果がこうなるんでね。(※中国から撤退後も付け込まれる日本企業)

(※「参考」日中記者交換協定を結んでいないのは・・・「産経新聞社」だけです http://m.blogs.yahoo.co.jp/xeku7/49343273.html曾野綾子さんもこれを徹底批判されてましたね。NHKがベタに親中なのはこういうことです。来たるNHK委員の刷新に多少期待します)

日本はやっぱり「軍事力が無い」ですから、海外へ資本進出する時には、【その背景に軍が守ってくれる】という状況でなければ、私はまず自分の会社にも力をつけて「ダントツの日本一のホテル」をつくったら【FC展開】、いわゆる『お金を持ち出さずにノウハウで、かつ向こうの資本で建て替え、ロイヤリティをもらう』ということで、いま頂上戦略終了後、あと一年半すれば「世界展開」を。もうすでにいろんな国から引き合いは来ています。まずは、とりあえず中国は後において、台湾とかね。

昔の話ですけども、ロシアでね、ペレストロイカいってその他etc... 新聞読んでいて小さな記事でサハリン、つまり樺太にね、「ABCができた」と。何かなと思ってみたら、「アメリカン・ビジネス・クラム」それ実は政府の施設なんですね。それは「ロシアと経済の取引をする場合には、やっぱり最初は政府が前面に立たなければならない」と。つまりそれはロシア人の風習もあるし、金の取引もあるし、どれだけロシア人がズルイかとか、嘘をつくかとか(笑)いろんなことがありますでしょう。そういうのは個別企業ではわかりづらいから、アメリカ政府として相当に準備をして手当てをしてはじめるというのは、《ある意味で当たり前》ですよね。(※企業の海外進出において重要になる政府の介入)

つまり、「経済」と「マーケット」と「政府」を分離するというのは、分離できない場合もないとは言いませんが、《基本的には外国との取引になってくると、無理》ですよね。ですから、日本だけがそういうところを分かっていないところがある。

西田昌司
そうですよね。現実に「前の大戦(大東亜戦争)」の時には、外で投資したものを全て置いていかれてしまったんですけどもね。満州もそうだし、朝鮮半島もそうだったけども。なんか(そういう過去の経験を)忘れちゃうのですよね。

昔、戦時中に『西原借款』ってね。借款だから、中国の借金ですね。(※中国の軍事費等に消えた「西原借款」▷寺内正毅内閣時に、北京の軍閥 軍閥段祺瑞(だんきずい)に供与した借款。総額1億4500万円に上った(1917年当時)任にあたったのが首相の私設秘書 西原亀三、しかし結局は回収不能というオチに)

それが、ズルズルと引きずり込まれて金額は忘れましたけど、最初は100億円貸してください。そしていろいろやってうまくいかない。あと10億、さらあと10億・・・本当に最終的には何十倍にも膨らんで、その後に日本は戦争に負けますから、一銭も返さないというね(笑)

それはまぁ〜怒っているんじゃなくて、僕はあんまり中国に対して怒っていないところがあるんですよ。それはまぁ「向こうにしてみれば当然のこと」として、ひょとしたら数千年前からそういうことをやっている国だと。

西田昌司
今のビジネスマンの方はとにかく儲かればいい。それから、サラリーマン経営者と言ったらなんですが、大企業でもオーナーではなくて、長期的な展望、言わば先ほどの頂上作戦や世界戦略を含めた、こういう非常に長期的なことを(元谷代表は)考えておられますけども、もう少し短期的、目先の利益で、結局「いま中国が儲かるなら行った方がいいじゃないか。あとは知りません」的なそういう感じの経営者ばかりが目に付く。
(※長期的な展望なく、目先の利益を追う経営者)

最近、だいぶ中国のリスク分散で、撤退したり、なんとかの工場を作ったりというケースが増えてきていますよね。だんだんわかってきたというか、これはやはり報道、【日中記者交換協定をやめないと】、これはまず国が動かないと民間でなかなかやれないですよ。だからその結果「いい話しか放送しない。悪い話はすべてボツやろ?」だから、みんな知らないから、どんどん出かけていくと、どんどん没収没収で。

西田昌司
【NHK】なんかも要するに、【新華社の記者がNHKに居る】んですか。中国の場合は【その新華社の中にNHKが入っている】と。新華社の中でないと取材もできないし、中国に対して悪い報道はこちらの側からさせてもらえない。

(※日中記者交換協定により、中国にとって不都合な事は報じない。ちなみに「新華社」は言うまでもなく 《中国国営の通信社》です。そらウィグル人も新華社を通じてNHKは「テロ扱い」報道はする罠w)

こないだの天安門に車が突っ込んだ映像なんかも、途中でパッとNHKの放送を真っ黒けにしてしまうのですよ。今の話ですよ。今どき、そんなことをする国の政府を信用できるか?という話。

西田昌司
【NHKは、日本の報道機関が「中国政府の広報マン」になっちゃっている】んですよね。

しかもあれでしょう。民間のテレビで言うと、会社の名前は言いませんが、裏情報がどんどん入ってきますよ。結局、《資本金のかなりの割合で中国資本が入って》いて、従ってそういう【経営上、中国に対する批判的な報道etc... は、会社の資本の系列として出来ない】というところまで来てしまっている。

最近、韓国の王朝風景というのか、煌びやかな《歴史に反すること》を、NHKにせよ、どっかの民間放送にしても流しまくるじゃないですか? あれは、もうちょっと事実というか、「実際にその時その時どうだったのか」ねぇ。

今言ったことは、麻子ちゃん(小林麻子)及び視聴者の為に言うと、ある人たちが調べて、今、韓国映画で何百年前にみんなスゴく綺麗な衣装を纏ってやっているでしょう。調べると、あの時の韓国にはいわゆる【染料そのものの技術が無くて、すべて白一色だった】のに、なんで赤だ青だ紫だの服を着ているだろう〜そういう話。

(※補足すると、この白一色の服を洗わずに汚れたまま来ていたから見た目は茶ばんでいたというのが実体。日本は朝鮮併合後、この汚れた衣服を見兼ねて、その衣服を着ることを禁じる代わりに「染料の技術」を伝授して、そこではじめて彼らは染色された見た目に鮮やかな衣服を纏うことが出来るようになった、という話。大統領の朴ナントカは「日本に着る衣服の自由も奪われた」と相変わらずのネタを振りまいているというわけですww)

そうなんですよ。そこはね、「おかしい」と。特にNHK見とると夜になるといつもそれやっとるでしょう(笑)あんまりにも酷すぎるからね。

もっと「日本のいい事」をアピールする、例えば日本にはいろんな「英雄」がいたわけだけども、そんな話を一つも出さずに(日本の)悪い事ばっかりを放送するから、日本の子供はそれを見ながら、学校の教科書も「おかしな教科書」であって、『はだしのゲン』でしたっけね? あんなヒドイものを(小学校の)「推薦図書」で「読ましたらいけないなどと、言論の自由が無い!」などと言い出してさ。【馬鹿みたいな国に(日本は)なっちゃった】んですよ。

西田昌司
子供の時、私なんかは「はだしのゲン」そのまま読んでましたけどもね(笑)


西田昌司
そうそう。だから後でその【日教組】なんかが「そのため」にする話で、どんどんどんどん「道具に使う」わけですよ。それで話がおかしくなっていった。

マンガでね、有名な【水木しげる】さん。それでね「総員突撃せよ!」(※マンガのタイトル化されたのは『総員玉砕せよ!』、※ラバウルでの体験を元に描いた水木しげる)、それはねラバウルのあたりにいたのかな。それで何十万もいたのだけども「戦闘の特攻で突っ込め」ということで大変だったというマンガなんだけど、それを【左翼系統のマガジンその他】が、「如何に日本軍は残酷なことを兵士に強いたのか」という話をしたと言っている。ところが、ご本人(水木しげる)の裏書きを見ると《そんなことを一言も言っていない》どころか、実はちょっと目を越えるとペリリューという島があって、あそこで「1万2千名が玉砕」をやった。中川大佐(※中川州男大佐)の元ね。それに触れて水木しげるさんが『ペリリューの玉砕は、可能であり見事であったが、ウチのところ(ラバウル)は、いろんなことがあって出来なかった。』と。「出来なかった」とご本人(水木しげる)が言ってるだけなものを、【ドンドン(左翼系統マガジン社その他が)話を膨らまして】ね。マンガ家ですからジャーナリズム関心ないんでしょう、ご自分の「総員突撃せよ!」が、【左翼マンガ】として位置付けられていることは(水木しげるご本人は)なんにも知らないというね(笑)そういうことが至るところにあるんですよ。

西田昌司
そういうのを利用しますからね、左翼は。

それで、もう一つ私が元谷代表にお聞きしたいのが、これだけ(ご自身の)事業が大きくなってますが、それでも《あえて(株式)上場しない》と?

まぁ「上場」というのはそもそも、貧乏会社がすることですからねぇ(一同爆笑)

金が無いから(笑)

金があるんだから、いちいち上場する必要はないし(笑)
それよりも《一株株主に「株主代表訴訟」を起こされるリスク》をとるよりもね。「全株オーナー」ですよ。私とウチのホテル社長(※妻の芙美子氏)と、長男、次男、四人で全株オーナーですよ。だから、いろんなことがこれまであったけども、ウチが全く動じずにやってこれたのは【上場してなかったから】です。上場していたら、すぐに株価が暴落したり、それに一株株主に株主代表訴訟が起こされたりで、大変ですよ。上場してなかったことがよかった。

西田昌司
言論活動も自由に出来ないですしね。

私がそれやっていられるのは、全株オーナーだからね。そうでなかったら即刻首切られてますよ(笑)

でも、ヒドイ話で最近聞かないけども、5年10年前かな?アメリカ仕込みのいわゆる【株主資本主義】ね。「日本もそれで行くべきだ」って、そのうちにTBSもどうなるか、大騒ぎあったでしょう。(※楽天ミキティのTBSの敵対的買収騒動) 考えたら不思議な話で麻子ちゃん、こうなのよ。

つまり僕が延々と何十年やったって、努力して小銭を貯めて、仮の話よ。立派な会社にして、株主の人たち(仮に)麻子ちゃんのような、何の僕の企業に努力もしていない人が、たまたま親の財産があったというだけで株を買って、「ほ〜ら私のものだ」と言って、その内に「社員の首を切るわ、何をするわ」で、そんなこと、普通の経済学を知らなくたって、株主、株式制度があったっていいけども、「それが資本主義の原理原則だ」と言ったら、どんな酷いことが起こるか、たぶん小学校を卒業したぐらいでもわかる話ですよね。それをね、東大の経済学部のナントカ教授が「株主資本主義の時代だ!」ってやってたわけですよ。まだやってますよ。
(※資本主義の原理原則だけの株式制度では酷いことに)

西田昌司
ビジネスの世界はやっぱり「最大利益をあげる」と。で、「いちばん流行に投資をして、いちばん利回りがいい。そしてそれがいちばんいい経営者」ということになって、そのためには海外も含め投資をあらゆるところでやっていくみたいになっていくし、それが結局は【上場グローバリズム】になってくるわけですよね。

もちろん、ビジネスの世界ですから、事業で成功されて、シビアに見られているのですけども、もう少し違う視点が元谷代表には、おありのような気がしますけども?

そうですね。私は真の事業家の条件は?と問われて答えたことがあるのですけども、やっぱり事業を通じて「需要」を創造して「雇用」を創出する。「適正利益」をあげて、「納税義務」を果たすことを同時にする。一つだけではない。同時にやるのが「真の事業家」ではなかろうかと。
(※適正利益・雇用創出・納税 「真の実業家」の条件)

売上利益の最大化をはからずに、『良い会社』をつくる。そして「自分の会社だけ良くてもいいのか?」と。『この国を良くする』ということで、私は段々と「言論活動」に移していったのですよ。

西田昌司
安倍総理が聞いたら、泣いて喜びますよ(笑)

私は42年間、一人のリストラもしていない。

ちょうど、お二人ね、こうみえて(私は)経済学部出身なんですよ。大学におった頃、経済学の講義をやって月給を貰ってた。そんなことはどうでもいいんですが、「株価」ね。株価というのは簡単に言えば「企業が、将来あげるであろう《将来収益》ですね。それを長期利子率を中心としたもので割引いて、全部足し合わせたものが《株価》」なんですね。

問題はこの【将来収益】ですよね。これを今のアメリカのマネをすると、現在利益があがったら、将来も利益があがり続けるだろうという「子供のようは計算」で、株価が上がったり下がったりしている。でも「将来収益」を何程か確実に予想しようとすると、(元谷代表が)仰ったように、しっかりした組織と人間関係をもって、いろんな5年?10年?頂上?《サミット・プランニング(Sumit Planning 頂上計画)》ね、そういうものをたてて、それでようやく「将来収益が何程か確実に見通せる」と。そういうことをしないで、単に「株価」と言ったら《単なる博打の対象》ですよね。なんか調子が良さそうだから「買え」とか「売れ」とか、それでマーケット全体が《Fluctuate 振動する(上下する)》んですよね。それに引きずり込まれたのですよ。
(※将来収益の確実な見通しは組織・人間関係と長期計画)
(※調子の良し悪しで売り買い、博打化により振動する市場)

資本主義というのはやっぱり、結局は「最大利益の追求」のためにスグに【リストラ】やるじゃないですか? 私は『日本は天皇を中心とする “大家族国家”』だと思うのです。『企業も家族会社である』と。家族会社であるなら、ちょっと出来が悪い子がいても「じゃあお前はクビだ」というわけにはいかない。やっぱり私は家族会社を経営しているつもりでやってきたものですから、42年間一人の首切り、リストラをやっていないんですよ。それで一度の赤字も出していない。私は《社会の資本を使って事業をしながら「税金を払わない」というのは、よくない》と。やっぱり社会のインフラ投資をした上で《事業をさせてもらっている》のだから、ちゃんと【適正利益をあげて、税を払う】と。それで【需要を創りだし、雇用を生み出し、税を払うという三点セット】を同時にやれることが出来る人を【真の実業家】と呼ぶべきであると思うのです。

(※リストラせず・赤字なし 家族のような家族経営)
(※適正利益・雇用創出・納税の達成が真の実業家)

西田昌司
いやぁ〜立派です。なかなかそれだけの方はおられない(笑)

いやいや、私はそれを実践してきました。

西田昌司
いやぁ〜すごいですよね。

だから、これまでに払った税金は「1000億円」を超えました。

西田昌司
何か、元谷代表がこの人を目標にしたとか、そのようなのはあったのでしょうか、この世界において?

いや、あんまり、、天上天下唯我独尊の方に、あんまりいないようなんだけど(笑)

西田昌司
なかなかいないですよね、今仰ったようなのい当てはまる方が、実は(笑)

古い方で言えば、【松下幸之助】さんたちが、いわゆる「日本的経営」をしたとかいろんなことはあるでしょうけども、本質は今、元谷代表が仰ったことと同じことですよね。

まぁ「家族経営」というか、関連する人たちの共同利益を長期的に確実に実現していくという、そういう意味では【家族的な人間の繋がり】ですね。
(※共同利益を長期に確実に実現する家族的な繋がり)

やっぱり、今から日本に求められるのは【家族国家】、大家族制度をつくって、「親子孫の三世帯が同時に同じ家に住んで」、やはりちょっと偏差値が高いからって京都の学校に娘がいったりね、東京の学校に出したりとか、それから単身赴任で行ったりとか、家族四人が四カ所に別れて住んだら、親父がけっこういい給料を貰っても、分けたら貧しいじゃないですか。だから、本来の人間の姿は【部族社会】なんです。

それからよく中東へ行く際に、イスラム教圏の大使とディベートするんですけど、そんな国にいくつも行きましたけども、その「家族国家」、家族だけじゃなくてもう一つ大きく「部族社会」なんですよ。日本はさらに大きく【大家族国家】を目指しなさいと。
(※本来の人間の姿は部族社会、大家族国家を目指すべき)

アメリカが日本を占領統治してから、「日本を弱体化させるには、どうしたらよいか?」、【分断】ですよ。どんどんどんどん「細かく」して、核家族から、今や【個家族】ですよ。
(※アメリカによる占領統治、日本の弱体化は分断)

ですから、これを「一つのもの」にするために《税理の優遇・誘導》で、例えば、家を小さくつくったら税金が安い制度が今はあるけども、それを逆さまに『大きな家をつくって、二世帯三世帯で住めば、税金を1/2、1/3にする』という制度をつくればそうなりますしね。それから「住宅金融公庫」という融資制度もですね、「一定の面積を超えると融資を受けられない」とか、逆さま。(制度が)全部逆さまです。だから《大きい家をつくることを奨励する》、そして『大きな家に二世帯三世帯一緒に住めば、親子を守る知恵の伝承が出来るし、相互扶助で助け合いが出来る』でしょう。いちばん日本で不幸な事は【孤独死】ですよ。これはね、統計はとってないんじゃないかと思うのだけど、自殺は三万人と言われてますけども、孤独死はそんなもんじゃないだろうと。自殺以上に不幸なそういう孤独死の問題は「個家族」からはじまっている。
(※二世帯三世帯が住める大きな家づくりの奨励を)

僕の近未来ですけどね(笑)

ちょっと途中でね、話をずらして悪いけども、僕はね、アメリカ的な考えは大嫌いなんだけど、もしかしたら、そのアメリカですら、これは1930年代 40年代ですけどもね、《Informal Communication 》とあって、これは「非公式の、つまり何もかもフォーマルの契約書じゃだめなんだ」と。これは「家族的経営」と関係がありましてね、家族とかその他、企業でもいいんです。「みんな仲間じゃないか」と。そしたらインフォーマルな、日本で言えば『一緒に酒を飲んだり、ケンカして仲直りしたり』ね、そういう非公式なコミュニケーション(Informal Communication)でもって家族的な集団が出来て、これが無ければ経済のみならず国家が持たないんだということを言ったのは、実はアメリカ人でもあるんですね。
(※Informal Communication 家族的集団による国づくり)

アメリカ人は、自分たちの言ったことをバッと忘れて、第二次世界大戦で世界中を制覇しましたから、後は「アメリカの原理原則を押し広げればどうにでもなるだろう」と言って、今や滅びつつありますが。おそらくは、こんなものは日本人は数百年、数千年も前からこういう形(※非公式なコミュニケーション)で国を作っている。

西田昌司
アメリカも片っぽ、対外的にはグローバル経済で勝ち負けで荒らしまわっちゃっているけども、先週の冒頭に元谷代表が仰ったように、やっぱり「ピューリタン」それで宗教的なものを含めて【家族】やっぱりそれがあるんですね、片っぽで。

だから、道徳復興運動だと、ちょっとクレイジーだけども(笑)そういうものが出てきますからね。

やっぱり連帯感って大事ですよ。会社のなかでも連帯感ある経営をと。取引業者の方とも連帯感をと。全て『連帯感』で繋がる、そういう人間的繋がりっていちばん温かくていいじゃないですか。お金儲けのために繋がるというよりも、「思想的連帯感」を私はけっこうそういうことを発信していますんで。
(※金儲けのためではなく、人間的な繋がりの連帯感)

と言った次第で時間が来たんですけども、元谷代表はサミット、頂上で、僕は谷底で頑張っていますんで(一同笑)今後ともご奮闘のほどを。

【次回放送】表現者塾『保守の経済思想』
中野剛志 × 富岡幸一郎 × 西部邁

MXが宣伝してくれたおかげで、実は「表現者塾」というものをやりましたら、全国からこれ本当なんですが、北海道から九州から大阪から、有意の青年たちが、会場が決まっているので200名でギリギリストップさせたんですが、それこそ飛行機、新幹線まで使ってね、塾にやってくるという人たちがいてですね。

次の回に、中野剛志君が中心ですけども、「表現者塾」がどんな風にして進行中かという、そのことを番組で紹介致します。どうぞご期待下さい。