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「現代若者論」選挙権・スマホ・会話 ① ゲスト:中森明夫(作家、アイドル評論家)〜西部邁ゼミナール〜

「現代若者論」選挙権・スマホ・会話 ① ゲスト:中森明夫(作家、アイドル評論家)〜西部邁ゼミナール〜

ゲスト:中森明夫(作家・評論家)、1959(昭和34)年 三重県出身、著書には小説「アナーキー・イン・ザ・JP」三島由紀夫賞候補、「アイドルにっぽん」、「午前32時の能年玲奈」、【近著】「寂しさの力」(新潮新書

【ニコ動】
西部邁ゼミナール)現代若者論【1】2016.05.07


今村有希
今回のゲストは作家で評論家の中森明夫先生です。前回お越し頂いた際には中森先生が上梓された『寂しさの力』(新潮新書)を紐解きながら、人間に付いて回る運命や宿命的なモノとは何か?それを知ろうとする努力不足に陥っている現代人の問題点から若者たちの恋愛事情まで語って頂きました。

サブカルチャーと言われる若者文化にも明るい中森先生が世の中の変化が目まぐるしい中で、非常に面白い「現代若者論」を繰り広げてくれることと存じます。それでは先生方宜しくお願い致します。

宜しくお願いします。

宜しく。何か、中森さんに質問がある?

今村有希
ハイ(笑)先生方は、あの選挙には真面目に行かれてますか?

あっ、僕も入ってるの?

今村有希
は、入ってます(笑)

僕はほとんど行きませんね。

今村有希
あら?

一回、ちょっと行ったことがあるかな、魔が差して・・・行ったことがあるかぐらいで。

今村有希
そうですか(笑)

事情があって、最初に投票用紙が来た時にね、

今村有希
はい。

独房に入れられてたんですよ。

うん。

独房から投票するのは屈辱と感じて、拒否したの。

今村有希
はい。

その後、住所不定になって投票用紙が来なかったの、10年ぐらい。不定というか移動し過ぎてね。

ほぉ〜。

今村有希
はい。

そのうちに(投票に行かないのが)習慣性になっちゃってね・・・小さい声で言う、投票したことがない(笑)

おぉ〜。

今村有希
一度もですか・・・。

問題児ですけどね。皆さん僕のマネはしないように、国家が放火しますから(笑)

今村有希
ウフフ(笑)

18歳に投票年齢を下げたんですってね。あなたの『寂しさの力』(※中森明夫著)ってのは本当にいい本で、18(歳)ぐらいの寂しい若者たちが寂しいの力で、力強い投票してくれるんですかねぇ(笑)

[*選挙権「18歳以上」へ 年齢引き下げをめぐり ]

今村有希
(笑)

うん、あの実際いまでもね、投票率ってのは20代とか若者が低いんですよ。

今村有希
へぇ〜。

あぁそう。

(投票権が)18歳になったということで、盛んにニュース番組なんかで「18歳選挙、若者たち」という特集番組をしているんですけども、

今村有希
はい。

僕はどこか【疑問】を感じますよね。僕だってね、選挙へ行かないことがぜんぜん良いこととは思わないんですよ。

うん。

ま、たまたま行かなかっただけなんですけど、

今村有希
はい。

それである時、90年代かな、それこそ雑誌のサブカルチャー的な企画でこういう企画をやったんですね。僕はもう政治的信条は無いのだけど、よく考えてみたらずっと選挙へ行ってないから、あぁ自分はもうこれね、「日本棄権党」の党員だと。

(笑)

日本棄権党という(投票を)棄権する人たちの党があるわけですね。

今村有希
はい。

そうすると、まぁだいたい投票率50%、60%ぐらい、40%ぐらいが棄権党ですよ。で、残りを既成政党が分けているから、一番最大与党なんですよ、棄権党が。

今村有希
(うんうん)

僕の持論なの、ずいぶん前に出来た。普通、投票「権」、「権利」と言うでしょう?

うん。

今村有希
はい。

では「権利」とは何かと言ったら、まぁ自由にやってもいいよ、ということなの。ということは、(投票を)棄権してもいいよということなのね。

うん。

権利に対して「義務」、だから「務」と(黒板に)書くよ。つまり、投票「務」でしたらね、義務ですから、

うん。

今村有希
はい。

義務を果たさない人間にはね、僕のような不埒な奴には罰金を徴るとか、それをさらに繰り返す奴には牢獄に入れるとか、実は法律上、オーストラリアとかイタリアは僕の古い知識ですけども・・・

あ〜あ!

憲法で、投票は国民の義務であると。

今村有希
はい。

[*イタリアは投票を国民の義務、オーストラリアでは罰則も ]

うん、これ義務だったらね、まぁ行くんじゃないかなと思うところもある。

今村有希
(うん)

それから、憲法の第何条でしたっけね?投票した人間がその責任を問われないという条項があるんですよ。

[*憲法第十五条 第4項:全ての選挙における一選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問われない ]

うん。

今村有希
へぇ〜。

何条か忘れたけど、僕は憲法ってすごいなと思いましたよ。普通よくね、ある政権が何かしでかした時に、それは投票した奴がどうだ、と言うじゃないですか?

うん。

ところがそれは「免責」されてたりするんですよね。

あぁ〜。それだけじゃなくてね、本当に投票はね、18歳とか20歳の人をガッカリさせるわけじゃないけども、小さな会社の投票でしたらね、

今村有希
はい。

自分の一票で誰かがね、係長から部長になったり(笑)

今村有希
(笑)

でもね、大規模投票でしょう?千単位はおろか、万、何十万単位でしょう、自分の一票で候補者のどっちかが受かって、どっちかが落ちるなんて可能性はゼロではないけど、確率・統計的に言って投票場に足を運ぶ確率よりかは小さいですよ。

うん。

結論はこうなんですよ、投票権・・・正直言うと、そんなものは枯葉のもの程も無いのだが、ところが大規模投票のあれで塵も積もれば山となって重さが出て、あなたが受かり、こちらが落ちると、こうなるもんだと。別に憲法で書かなくてもいいんですよ、解釈としてね。

今村有希
はい。

うん。

というふうに考えるから、「枯葉でも枯葉なりの義務がある」んだと。枯葉の自分自身を投票場に運んで、でも実際上、ほんとそれ難しいのね、オーストラリアもイタリアもそう言っているけど、実際の罰則はね、科し得ると書いてあるけど、実行出来ない。

[*義務投票制で罰則科す、理由調査難しく実行困難 ]

というのは、貴女(今村)は時々、お腹が痛くなるでしょう?

今村有希
はい、ウフフフフ(照笑)

棄務した人がどのような理由で棄務したか調べなきゃならないのね。

今村有希
そうですね。

そんなこと莫大な費用がかかって(笑)だから、一応こう書いといて、何も罰則は実行していないのね。

今村有希
へぇ〜。

もう一つ思うのは、18歳という年齢ですよね。先進国がほぼ(参政権が)18歳なんで、じゃあ日本も合わせていくということでしょう。

うん。

まぁ今の18歳というと、下手すると高校生もいるわけですから、こう20歳でもね・・・

今村有希
はい。

昔の大人に比べていかにも幼いのに、さて、その18歳なんかに政治的決定出来るんだろうか?という話ですよね。

[*世界に合わせ選挙権18歳、政治的決定できるのか ]

今村有希
(うん)

とはいえ、これ最近の僕らのたかだか20世紀以降の人間の考え方で、本当に人生50年なんて言われてた時代ですよね?

今村有希
はい。

或いは、昔の人の何の本でしたか・・・見たら、古代の最古のお墓を調べて、死因を調べたらですね、だいたい最古の人たちというのは平均寿命が25歳だと。

ほう〜。

今村有希
へぇ〜。

だからもう15(歳)で大人で、40(歳)で老人だっていう(時期な)のが長いんですよ。

[*古代の平均寿命25歳、15歳で大人、40歳は老人 ]

あぁ〜そうか。

(ですから)18歳ではぜんぜん実は大人でなければならない年齢。

あぁそうねぇ・・・。総選挙そのものがね、一応、各政党「公約」は出しますよ。

うん。

でもね、あれ公約ってけっこう綺麗事が多いでしょう?大筋を言うとね、選挙というのは、候補者の『人柄』ね、どうもこっちの人柄よりは向こうの人柄の方が良さそうだと。

そして、実際の政策はね、『議会で議論して多数決で決める』。

[*選挙は候補者の人柄、政策は議会で議論し決める ]

そしたらね、人格を選ぶために18歳でね、そんなね、こいつはなかなかの人物だとかさ、

あぁ〜。

今村有希
(笑)

これはどうも綺麗事ばかりで怪しいとかさ、そんなことを見分けるには年月が必要なの。

[*候補者の人格を見極める年月が必要である ]

今村有希
うん。

というのが一方であるのと同時に、他方でね、逆なんだけど、現代社会で大人たちが20歳以上の、

今村有希
はい。

30(歳)になっても、40になっても、70になっても・・・ほとんど子供同然のね、何の成熟もしていないね、そういうのがいるから、(投票権)18歳でどこが悪い?!という意見も成り立つのね。

[*大人が子供っぽい、未成熟な現代社会 ]

あぁ〜思います思います。ぼくこの本の中(『寂しさの力』)でも書かせてもらいましたけども、【エリック・ホッファー】という「沖仲仕の哲学者」と言われた方がね、

あぁ〜そうそうそう。

面白い『現代という時代の気質』という本を書いていて、その中のちょうど1960年代アメリカで若者の政治運動が盛んだった頃にハーパーズ・マガジンという雑誌の中で書いた論文ですけどね、

[*『現代という時代の気質』沖仲仕の哲学者ホッファー:Eric Hoffer(1902年7月25日 - 1983年5月20日)は、アメリカの独学の社会哲学者。]

うん。

『未成年の時代』という本を書いていて、その骨子は何かというと、まぁ少年性ですよね・・・「若さというのは、年齢の問題じゃないんじゃないか」と。

まぁそうでしょうね。

つまり「精神の問題」で、「どの年齢層にもteenagerはいる」って書いてあるんです。

[*「未成年の時代」ホッファー:teenagerはどの年齢層にも ]

今村有希
(うん)

(西部を指して)もしかしたら70代のティーンエイジャーですけども。

今村有希
ウフフフフ(笑)

酒場で元気だって意味ではね(笑)

今村有希
(笑)

そう、朝までこうオールですよオール(笑)

今村有希
(大笑い)

ホッファーはなかなか面白い人で、それでその「20世紀が未成年の時代だ」と彼は言ってるんですね。

うん、そうか。

それで、20世紀という時代はなぜ「未成年の時代」かというと、

今村有希
はい。

彼曰く、『ファシズムであれ共産主義であれ、あるいは人種政権であれ、これは少年性、若者が持っている資質が作り上げたものだ。』

うん。

それは何故かというと、社会がより大きく変化する時に、その(変化に)さらされた人間が少年性を発揮する。つまり少年性・若者とは、子供から大人に至る移行期でしょう?

あぁ、そうねぇ。

『変化の状態の精神が若さなのであって、時代全体が変化する時には、年齢層に関係なく、良くも悪くも若者的な行動になりがちであると。』

[*時代全体が変化する時には年齢に関係なく若者的行動 ]

いやそうですそうです。差し障りある発言をやるのは僕の仕事の一部ではあるのだけど、

今村有希
はい。

えぇ。

僕ね、タクシーの中でときどき外を見て、バカヤロー!!という時あるの。

うん。

どういう場合かというと、いい歳した壮年、老人が若者風にリュックを背負ったりね。

今村有希
うん。

僕ね、言いたいですよ、その老人に。お前のそのリュックには何が入ってるんだと!?

中森・今村
(笑)

健康保険所となんとかかんとかしか入っていないだろうと。そういうふうな人間を見ると、これね英語で2つの言葉があって、

はい。

infant(インファント)って「幼稚」って意味なんですけど、ただこれはあんまり使わない方がいいのね。infantというのは生理的な発達、そういうことを指す。

[*infant「幼稚症」 生理的な意味合い ]

あぁ〜。

それに対して、精神的なことの場合にpueril(ピュエリル)という言葉があって、

ピュエリル。

Puerilisme(ピュエリリズム)と言うんですけど、これはね、文化的に人間が大人になっても小児病的な行動をとるというね。これホイジンガという人が言ったんですけどね。

[*Puerilisme (蘭 歴史学ヨハン・ホイジンガ)文化的に大人になっても小児病的な行動をとる ]


いま中森さんが言ったのは、その後者のね、ピュエリル(pueril)。

ただね、こうも思うんですよね、その僕なんかは今日、リュックを持ってきましたからね、先生に怒られるんじゃないかと。

一同
(笑)

つまりどういうことかと言うと、人生50年という時代がありましたよね?

今村有希
はい。

そのさっきの(投票権)18歳の場合も(成人は)20歳。今でも成人は20歳じゃないですか?成人式は20歳。

今村有希
はい。

ただ人生が50歳の時代に、20歳が成人だというのが決められたんですね。これは山根一眞(ジャーナリスト、ノンフィクション作家)さんだったかな?50cmのゴム紐を、今は80(年)ですから、先生の年齢。

今村有希
はい。

(50cmのゴム紐を)80cmまでビローンと伸ばす。

うん、そうそう。

そうすると(伸ばす前が)20のところの(目印の)線が、ちょうど30ぐらいに伸びるんです。

今村有希
(うん)

どういうことかって言うと、人生50年なので20歳で大人になってしまえば、もう老後が長いだけだから、

うん、そうか。

寿命が延びたに従って、まぁ『30歳成人説』って言い方がありますけどね、そしたら選挙権は18(歳)じゃなくて30歳からでいいんじゃないかと。

[*人生80年時代で成人30歳、山根一眞式人生ゴムバンド説 ]

今村有希
うんうん。

(挙手して)さんせーい!!

今村有希
ウフフフフ、賛成です(笑)

むしろね、本当に人生のmoratorium(モラトリアム=猶予期間)が延びちゃってね、

えぇ。

まぁそもそも大学生自体がモラトリアムですよ。

今村有希
うん。

もう普通はね、10歳の頃から例えば、農民で言えばね、畑を起こしたり草をむしったりね、家族の仕事の手伝いをしてたもんだけど、そういう執行猶予というか、行動不決定なモラトリアムが長いですからね。

[*成人30歳なら選挙権も人生の猶予期間も長期化 / かつての農民10歳で手伝い、現在はモラトリアム長期化 ]

だからほら、成人式でよく荒れてるじゃないですか?

今村有希
はい。

ねぇ、物凄い。あれもう小学生だと思えば、フフッ(笑)だから暴れてるのは。

フフフフフ(笑)

今村有希
(笑)

でも、この裏(18歳選挙権)にはね、

えぇ。

多分これもあるんですよ。「少年法」というのがあってさ、

今村有希
はい。

それで少年が保護されているでしょう。ところが、少年犯罪がどんどん増える、或いは、凶悪になってくるわけ。

今村有希
はい。

そしたらね、やっぱり18歳の奴らにも責任を持たせると。それで少年法をいずれ改正してもっと厳しくすると。その代わりに投票権を・・・何かその辺りの張り合わせになっているんでしょうね。

[*選挙権の18歳引き下げと、少年法の見直しとの関係 ]

あぁ〜。少年法に関して言うと、確かに特異な事件、わけの分からないのが増えている。

今村有希
はい。

初回にもう2人も3人も殺した酒鬼薔薇(神戸児童連続殺傷事件の元少年A)じゃないですけど、そういうのとか平気で出てきて遺族感情を考えたらどうか?いろいろ考える側面はあります。

今村有希
(うん)

ただ、僕はそこは(西部)先生に異論があって、いちおう少年犯罪って一貫して減っているんですよ。

あぁ〜そうなの?!

戦後ずっと減ってます。犯罪自体は減ってますし、少年犯罪が減っています。

ふう〜ん。

で!ずっと一貫して多いのは、団塊の世代。あの世代が少年だった時に少年犯罪が多かった。

[*少年犯罪は統計上減少、団塊世代の少年期が高い ]

今村有希
(驚いた顔で頷く)

じゃあ60代後半ね(笑)

いま60代は暴走老人が多いんで、あの団塊の世代60代に限ってね、『老人法』って作ってね、もうちょっと罪を重くしないとね。

ワッハッハッハッハ(笑)

今村有希
(笑)

これどれくらい団塊の方が聴いてるかわかりませんけど。

選挙をめぐっていろんな問題・矛盾があって、あの「一票の重み」って言うでしょう?

今村有希
はい。

それで、最高裁もね、いちおう形の上で一票の重み・格差?東京だか島根県と比べたら3倍・・・うん?東京の方が(一票の重みが)軽いと。でもね、先ほど言ったように、もしも(投票)棄権率が増えれば増えるほど、実は投票する人の一票の重みは増えるわけです(笑)

[*有権者1人あたりの票の重み・一票の格差めぐる問題 ]

今村有希
はい(笑)

そうですそうです。

そうでしょう?投票者数が少なくなるからね。

今村有希
はい。

みんなが投票すればするほど、一票は枯葉どころか空気みたいに軽くなっちゃう。

うん、逆説がありますね、投票のメカニズムの原理って。

僕は別にそれでどうせいと言っているんじゃなくて、そういうことをみんな了解した上でね、まぁ、しゃーないと・・・うん、なるべく(投票に)行くようにしましょうと、その程度の話なんだけどね。

こういうこと言うと怒られるんでしょうけど、そもそもが政治ってのがね、

今村有希
はい。

誰が言ったか、政治ってのは、ある意味で便所掃除みたいなもんだとね。

うん。

やりたくないけど必要なんですよ。

あぁ〜。

便所掃除が無かったらダメじゃないですか。だから、便所掃除をする人って尊い仕事をしているしね。大変な汚い仕事をやらなきゃならない。でも誰かがやらなきゃいけない仕事ですよ。やらないでいいんだったらやりたくない、みたいなところがあるのが政治ですよ。

今村有希
(うんうん)

political(ポリティカル)と言うでしょう。あいつはpoliticalな奴だねと言うと、やっぱり欧米でも「政治的」というと悪い意味でですよ。

今村有希
はい。

権謀術数を逞しゅうする。人を誑かす。

今村有希
はい。

ところがね、(語尾の)「-al」をとって「politic(ポリティック)」というとね、「あいつは賢明な奴だ」という意味になるんですよ(笑)

[*権謀術数 politicalな奴・・・欧米でも悪い意味で使用 ]

おぉ〜、面白いですね。

やっぱりね、これ(politic)は「polis(ポリス)」から来ていますからね。ギリシャのpolis、都市国家。『このギリシャのpolis(ポリス)に貢献できる立派な奴って意味がpolitic(ポリティック)』ね。

[*politic「賢明」:ギリシャ都市国家polisに貢献できる立派な奴 ]

今村有希
(深く頷く)

ところが、それにpolitical(ポリティカル)になるとね、まぁ自分の知恵を巧く利用してどうの〜、という怪しげなものになるんですよね。

だから「政治」というのは、一方から言えば「便所掃除」、

うん。

他方から言えばね、「国家の名誉をかけて」のどうのこうのという議論も可能になる。なんかこの(両者の)境界線上の怪しい話なんですよね。そういうことは、まぁあんまり若い人には分からないけど、(選挙権引き下げで)18(歳)になると教えなきゃないよね。

そうですよ。それでこれが問題じゃないですか?学校でね、つまりは高校生ですよ18歳って。それで先生が割合、政治的な発言をするのって批判がありますよ。

えぇ。

ですよねぇ。それでいて投票はしろ!という感じだったらねぇ。

[*先生の政治的発言には批判、18歳で高校生の投票は ]

今村有希
(うんうん)

日教組問題云々もあって、教師が左傾、左(翼)側になっている。じゃあ右傾してていいのか?でも、ある程度、政治的判断するには教師がですよ、政治の主体になる発言をしなければならない。それ抜きでニュートラルであれして、じゃあ(学生に)政治的決定しろ!というのは僕はちょっと難しいかな思いますけどね。

今や教師も含めてね、僕の印象よ、もうじき墓場に逝く人間の印象。

今村有希
はい。

ぼーっと街を見ていると、それこそ老若男女みんなして「スマホ」。

[*老若男女問わずスマホを弄る風景 ]

中森・今村
あぁ〜。

冗談言うとね、これはテレビですけどね、僕が昔から嫌いなのは、テレ「ビ」ね。

今村有希
はい。

あれは(テレ)「ビ」が何の略かといったら、(tele-)vision(-ビジョン)ね。

あぁ、tele-vision(テレビジョン)ですね。

今村有希
あぁ、ビジョン。

tele(テレ)というのは「遠くから」ね。

今村有希
はい。

でもね、vision(ビジョン)を「ビ」と略すこの言語感覚が嫌いなのね。

[*television:「テレ」遠くからの意味、visionを「ビ」と訳す言語感覚 ]

あぁ〜、ビジョンが「ビ」になっちゃったわけですね。

それと同じようにね、(smart-phoneが)スマ「ホ」。

あぁ(phoneが)「ホ」ですね。

smart(スマート)は「スマ」でいいかもしれないけどね、phone(フォン)、音でしょう?

今村有希
はい。

それを「ホ」と言ってるこの言語感覚も嫌いなんだけど、それはさておいて(笑)

[*smartを「スマ」、phoneを「ホ」という言語感覚 ]

今村有希
ウフフフフ(笑)

なにかみんなしてもう横断歩道までスマホでしょう。多分、学校先生だって、ひょっとしたらもうねぇ・・・(スマホを弄るジェスチャーをして。笑)

[*老若男女問わず横断歩道までスマホを弄る街の風景 ]

今村有希
(笑)

うん、例えば、授業やってる生徒が逆に私語をしないんですね。静かになったスマホのお陰で。

今村有希
あぁ〜(驚)

(授業中に仲間同士で)スマホでやり取りしているから。

はぁー(驚)

授業が静かにはなりました、スマホのお陰で(笑)

静かにはなるのか(笑)

今村有希
はぁー(笑)

便利さは分かるよ。携帯電話といい、スマホといいねぇ。でもそれに群がるね、なんか老若男女を見るとねぇ・・・なんかあんまりねぇ、人を軽蔑するのはね、それでこういう言葉を作ったの、『スマホ人』というね。

今村有希
えへへ(笑)

ほぉ〜。

そういう人種(「スマホ人」)が登場したのであると。私の出る幕はもう無いという原稿を書いた覚えがあるという(笑)

[*便利さ分かるがそれに群がる『スマホ人』人種の登場 ]

中森・今村
う〜ん・・・。(揃って唸る)

そういうんでスマホ人の社会であると。もっと言うと、情報なるものね・・・スマホにいろんな情報入ってるんでしょう。

今村有希
(うんうん)

でも、情報なんてものは最初からパターン化されたあれで、それを次々とボタンを押して、ふ〜んと言って、次々と(その情報を)忘れていくんでしょう。

今村有希
はい。

そういう人たちの選挙って、いったい何じゃいねってね。

うん。あの今のお子たちって、スマホが無くなったりすると泣きそうになっちゃったりするんですね。本当に。ちょっとでも(スマホを)忘れたりとかすると。

泣きそうに(笑)

今村有希
へぇ〜(ビックリした表情を浮かべて)

僕ね、若い人たちに、是非、よく「断食」って言いかたありますよね?

今村有希
はい。

だから、『断スマホ』っていうかね、つまり、『ネット断ち』というのをこの1週間やるとか、

今村有希
うん。

断食というのは、ものを美味しく食べる為に、やることがある。

あぁ〜。

今村有希
はい。

だから、1週間スマホ断ちを年に一回でも二回でもやれば、情報との付き合い方ってより良くなると思う。

それね、ものすごい大事なことなの。それを理屈っぽく言うとね、例えば、スマホでも何でもいい、情報をこうボタンを押して10週類の情報をバッバッバっと得たとするでしょう?

今村有希
はい。

何がいちばん大事だったかなぁとかね、何がいちばんつまらなかったな、何ていうことをやる為にはね、一旦「断食」をしてね、自分でやっぱり考えないといけないんですよ。

[*何が大事で何がつまらないか、スマホを遮断し自分で考える ]

うん。

今村有希
はい。

ところが、自分らが努力しないと、ここ(オツム) に詰まった情報を思い出せないんです。出すためには、そういう断食して考えるという(笑)

今村有希
ウフフフフ(笑)

だから、僕は若者にはね、そういうスマホとか、あと情報過多とかね、便利さに対してね、抵抗してもらいたいですね、若さで。

[*スマホによる情報過多や便利さには若さで抵抗を ]

うん、そうですね。

それが当たり前だと思わないでもらいたい。

いま(中森が)「便利さ」と仰ったけど、それに頼るなと。

今村有希
はい。

convenience store(コンビニエンス・ストア)の「convenience」というのは「便利」という意味でしょう。

今村有希
はい。

convenienceのもともとの言葉の意味はご存知ないでしょう。

今村有希
・・・。

convene(コンビーン)というのは「みんなが集まる」という意味なんですよ。

ほぉ〜。

今村有希
へぇ〜。

ねっ。だから、便利さに向かってみんなが集まるわけ。

[*convenience「便利」、convene「集まる」 ≒ 便利なものに群がっている状態のこと ]

kombinat(コンビナート:露語→英語ではcomplex)とかもそうですか?

そうそう。それと同じなの。それでね、言いたいのは、馬鹿な奴ほど高く登るって言うじゃない。

うん。

乱暴に言うと、『アホな奴ほど便利さに群がる』というね、そんな100%そうだとは言わないけども、僕らは結構、便利なところへ傾いているから(笑)

竹中労さん(故人)というルポライターが、「弱いから燃えるんじゃない。燃えるから弱いんだ」って。

あぁ、ほんと。それだよ。

今村有希
へぇ〜。

それはあらゆる事に言えますよね。まぁ「衆愚」という言葉がありますけども。

うん。それで言いたい。convene(コンビーン)=群がる、convenience・・・storeまでやると商売の邪魔になるから(笑)

今村有希
ウフフフフ(笑)

便利なスマホその他に群がるというのは、どっか『弱さ』があると。

[*便利なものに convenience 群がるのはどこかに弱さがある ]

投票なさる以上ね、

今村有希
はい。

この本(『寂しさの力』)を読んで、みなさん寂しいだろうが、自分の力があるんだってことを確認して、余り群がらないで(笑)

今村有希
(笑)

投票場に僕のマネをしないで、

今村有希
ウッフフフフ(笑)

(吹き出す)

棄権はしないで行ってください!(笑)

今村有希
(笑)

・・・というんで終わっていいですか?(笑)

はい(笑)

今村有希
ありがとうございました(笑)

【次回】刺激・便利・流行めぐり「現代若者論」 ② ゲスト:中森明夫(作家、アイドル評論家)〜西部邁ゼミナール〜