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アメリカ帝国大混乱!!!③ ゲスト:伊藤貫(評論家)〜西部邁ゼミナール〜

アメリカ帝国大混乱!!!③ ゲスト:伊藤貫(評論家)〜西部邁ゼミナール〜

ゲスト:
伊藤貫:評論家、国際政治・米国金融アナリスト、近著「自滅するアメリカ帝国 〜日本よ、独立せよ」(文春新書)ほか多数

【ニコ動】
西部邁ゼミナール)アメリカ帝国大混乱③ 2016.08.27
http://sp.nicovideo.jp/watch/sm29536958

 

f:id:sakurajimaoyuwari:20160829174342j:image


今村有希
今回は「アメリカ帝国大混乱!!!」の3回目です。引き続き、ワシントンD.C.在住の評論家 伊藤貫先生にお越し頂いています。アメリカの大統領選挙で台頭したトランプ候補の主張にアメリカ国民の本音がくっきりと映し出されているように、かつての帝国はどうやら“内向き”志向へと大きく舵を切りはじめているようです。

イギリスのEUからの離脱、頻発するテロと、いま世界は大きな曲がり角に差し掛かっています。今後の日本国家としてのあり方を考える上で重要な論点が炙り出される議論になるかと存じます。

それでは先生方宜しくお願い致します。

伊藤貫
(深々と礼)

西部邁
今日は最後の週ですが宜しくお願い致します。ぼく、よく新聞もテレビも見ていないんですけどね、

伊藤貫
はい、

 

f:id:sakurajimaoyuwari:20160829174327j:image


西部邁
この前にオバマさん来て、「広島を訪れた最初の(アメリカの)大統領」、それを日本人が喜んで喜んで、

伊藤貫
はい。

西部邁
ところがね、ビックリしたのは翌日に報道で、アメリカが新しい核弾頭、それはターゲットによっては爆発力は自動的にね、例えばあそこに5万人いるから今日は5万人分爆殺できる爆発のさせ方をできるような、コンピュータ付きの、そういう核弾頭を発明しましたと。

[*オバマ大統領の広島訪問、その裏で核弾頭の新開発 ]

伊藤貫
(深く頷く)

西部邁
(報道に)出てるわけですよ。

今村有希
(目を丸くして驚く)

西部邁
それなのに日本の学者、評論家、ジャーナリストたちが、「オバマさんにはもう少し頑張ってもらって世界の核廃絶へと向かって頂きたい」と。

西部邁
何をしているのかね、あぁいうほとんど(オバマの)猿芝居以下のことについて、日本人がどこまでわかって猿芝居に合わせてるのかはともかく、

伊藤貫
(頷く)

西部邁
僕はこのどうしたってトランプを応援したくなるのはね、

今村有希
はい、

 

f:id:sakurajimaoyuwari:20160829174404j:image


西部邁
僕はね、核武装せいせいとワーワー叫んでいるんじゃないんですよ。僕なんかどういうわけだか金正恩北朝鮮の方と意見が一致しておりましてね、preventive(プリベンティブ)=予防的でも、先制攻撃に核は使ってはいけないと、憲法に新しく書けと。

[*核兵器の“先制”不使用、北朝鮮 金正恩第一書記]

今村有希
はい。

西部邁
つまり報復核ね。撃ち込まれてから撃ち返す。これでも考えてみたら異様な忍耐力であってね、

伊藤貫
(頷く)

西部邁
撃ち込まれるということは、50万、100万死ぬってことでしょう?それに耐えてね、尚且つ、反撃の体制を持つということは、その国民なり政府なりに異様な覚悟と努力と準備が無いとね。

[*“報復核” 攻撃受け50〜100万人死亡に耐え反撃体制、国民とその政府に覚悟・努力・準備が必要 ]

西部邁
するならば、そこまで覚悟した上でね、「(日本よ)核武装せい!」ということを15年前ぐらいに本で書いて・・・大変に評判を落としまして、

伊藤貫
はい(苦笑)

西部邁
(西部は)核武装主義者!以上おしまい!!・・・となって。

伊藤貫
(頷く)

西部邁
アメリカがですよ、オバマが何を言おうがですね、アメリカなりロシアなり中国なりが、核武装廃絶に向かうわけがないというね(失笑)

[*核廃絶には向かわない、米中露は核を手放さない ]

伊藤貫
はい。

西部邁
なんでこの単純なね、これ人類の歴史がそうですよ。旧石器の昔から、自分たちが作った発明品を手放した奴なんて見た事がない。

今村有希
(頷く)

伊藤貫
(うんうん)

西部邁
この日本に核を落として貰いたい!!・・・と冗談で言いたくなるぐらいの(笑)

伊藤貫
(笑)

伊藤貫
今回のオバマの広島訪問に関して一番思ったのは、日本の保守派とそれから日本の軍事評論家がいかにイカサマであるかと。

西部邁
うん。

伊藤貫
で僕は、左翼の人がイカサマなことを言ってもぜんぜんニコニコ笑って許してしまうんですが(笑)

西部邁
俺と同じだ(笑)

伊藤貫
えぇ(笑)あの軍事評論家とか保守派の言論人がイカサマなことを言うと、もうスゴく腹が立つんですよ!!

[*オバマ大統領の広島訪問、保守派・軍事評論家の如何様 ]

西部邁
あぁ(笑)

伊藤貫
腹が立った理由は、まずオバマ核兵器の製造予算を増やしているんです。減らしていないんです!!

今村有希
へぇー。

伊藤貫
まぁ広島に来て、「日米で協力して核の無い世界をつくりましょう」と言いながら、オバマが大統領になってから、ブッシュの息子の政権よりも少なくとも3割の核兵器の製造予算が増えているんですね。アメリカは次の世代の核弾頭を作るために、いま新しい工場を建設している最中なんですね。で多分、次の20年か25年間で核兵器にOne trillion dollarと!

西部邁
おぉ。

伊藤貫
要するに100兆円以上使うつもりなんですね。日本の自衛隊の全部の予算で5兆円でしょう?アメリカは要するに100兆円使うと。

[*オバマ大統領は核戦力に1兆ドル(100兆円) 次世代の核弾頭を製造のための工場も ]

伊藤貫
でそういうことをやっている国が日本に来て・・・(※顔を左右に振りながら)日米で力を合わせて一緒に核廃絶のために・・・ってね、

西部邁
ワハハハハ(笑)

伊藤貫
おかしいじゃないかと、日本の保守派が言わないと。それから軍事評論家がそのことを言わないと。

伊藤貫
でもう一つおかしいのは、アメリカの・・・こういうことを言うと、もしかしたら国務省とかCIAにぼく殺されちゃうかもしれないんですけど、本当の事を言うと、

西部邁
本当に気を付けてよ!

伊藤貫
えぇ、えぇ。2006年にアメリカの国務省は、日本のいわゆる反核勢力に対する態度を変えたんですね。でそれまでは、日本の反核運動をやってる連中はすごく都合が悪かったわけですよ、アメリカは核を持ち込みたいから。だから敵対的な関係があったんですね。

ところが、2006年になって急に仲良くなりだしたんですよ、日本の核兵器を無くせと言ってる連中と。でなんでかって言うと、2006年の確か秋だと思うんですけども、北朝鮮が最初の核実験をやったんですね。

[*日本の反核運動勢力に米国務省が近づく 2006年 ]

西部邁
あぁ〜。

伊藤貫
そうするとアメリカ政府は驚いて、要するに中国だけじゃなくて北朝鮮も核保有国になっちゃったと。でも日本にだけは(核を)持たせたくないと!!そうすると、今まで反核勢力をアメリカは敵視していたのに、これは日本の反核勢力を強くしないと危ないというんで(笑)

今村有希
(頷く)

伊藤貫
で次の年か次の次ぐらいあたりから、アメリカの駐日大使がワザとらしく広島とか長崎の反核セレモニーに出て行って、「私は日本人の反核運動にすごい深いシンパシーを感じる」とか、要するに、(アメリカ政府は)日本人にだけは核を持たせたくないという、反核勢力に国務省がコミットメントし出したわけですよ。

[*駐日米国大使が広島長崎反核セレモニーへ / 日本に核武装させまいと、米国務省がコミットメント ]

伊藤貫
でね、僕はワシントンに居て、あぁ〜やっぱりヒドイな(アメリカの)やることは・・・

西部邁
こういうことでしょう?日本だけに(核を)持たせたくないということの意味は、

伊藤貫
はい、

西部邁
別に日本がアメリカに報復することを恐れてという、そんな馬鹿げたことじゃなくて、日本が核を持たない限り、結局、日本はアメリカに付き従うだろうと!

伊藤貫
はいはいはい。

西部邁
アメリカに助けを求めるだろうと!それどころか単に軍事問題だけじゃなく、経済的にも政治的にもね、『アメリカの属国であること』に、日本は甘んじるであろうと。

[*日本が核を持たなければ、属国に甘んじるという思惑 ]

伊藤貫
はい。

西部邁
自分たちの核の傘がね、もう破れ傘になっているのだけども、でも結局日本は核が無い限り、アメリカ様アメリカ様と頼りにするだろうと。州に昇格する前のね、territory(テリトリー)というのだけど、日本をterritoryにしておきたいという、そのために日本には核を持たすな!!という、そういう計算なんでしょうね。

[*日本を準州 territory に、そのために核を持たせない ]

伊藤貫
明らかに出たのが、1992年の2月に作られた Defense Planning Guidance という機密文書(※通称DPG 1992年)なんですけども、そこに書いてあるのが、要するに91年の3カ月か4カ月前にソ連帝国が崩壊したんですけども、その後にすぐにアメリカのGrand Strategyを立てて、そこに書いてあるのが要するに、ロシアと中国をアメリカと競争できる能力を持つ国にしないと。その次に重要なのが、European Union、特にドイツに自主防衛能力を持つ独立国にさせないと。それから4番目に書いてあるのが、日本に自主防衛能力を持たせないと。で日本は永遠にアメリカの保護領=protectorate(プロテクトリート)、属国にしておくと。(※中露の競争能力・ドイツと日本の自主防衛力を抑える)

[*[参考]DPG:「1994~99年のための国防プラン・ガイダンス」通称 DPG(Defense Planning Guidance for the Fiscal Years 1994~1999)1992/2/18 作成 ペンタゴンの機密文書。チェイニー国防長官とウォルフォウィッツ国防次官(当時)は、この機密文書(DPG)の戦略構想に承認を与えた
DPGの内容を知り得たのは、統合参謀会議メンバーと、四軍(陸海空海兵隊)の最高幹部のみ。しかし、DPG作成の三週間後この機密文書の内容が、NYタイムズと、ワシントン・ポストにリークされてしまった。

● DPGの最重要七項目

ソ連崩壊後の国際社会において、アメリカに対抗できる能力を持つ大国が出現する事を許さない。西欧、東欧、中近東、旧ソ連圏、東アジア、南西アジアの諸地域において、アメリカ以外の国がこれらの地域の覇権をにぎる事態を阻止する。

❷アメリカだけがグローバル・パワーとしての地位を維持し、優越した軍事力を独占する。アメリカだけが新しい国際秩序を形成し、維持する。そして、この新しい国際秩序のもとで、他の諸国がそれぞれの“正当な利益” を追求する事を許容する。どのような利益が他の諸国にとって “正当な利益”であるか、という事を定義する権限を持つのはアメリカのみである。

❸他の先進産業諸国がアメリカに挑戦したり、地域的なリーダ ーシップを執ろうとしたりする事態を防ぐため、アメリカは他の諸国に対して《必要な配慮》をする。アメリカが国際秩序にとって “害”とみなされる事態を修正する責任を引き受ける。何が国際秩序にとって “害” とみなされる事態であるか、という事を決めるのも“アメリカ政府のみ”である。

❹アメリカに対抗しようとする潜在的な競争国が、グローバルな役割、若しくは地域的な役割を果たす事を “阻止” する為の(軍事的・経済的・外交的な)メカニズムを構築し、維持していく。

❺ロシア並びに旧ソ連邦諸国の武装解除を進める。これら諸国の国防産業を民生用に転換させる。ロシアの所有する核兵器を急速に減少させる。ロシアの先端軍事技術が他国に譲渡される事を許さない。ロシアが、東欧地域において覇権的な地位を回復する事をそんなのはする。

❻ヨーロッパ安全保障の基盤をNATOとする。NATOは、ヨーロッパ地域におけるアメリカの影響力と支配力を維持する為のメカニズムである。ヨーロッパ諸国が、ヨーロッパだけで独自の安全保障システムを構築する事を許さない。

❼アメリカのアジア同盟国 ~特に日本~ が、より大きな地域的役割を担う事は、潜在的にこの地域を不安定化させる。従ってアメリカは、太平洋沿岸地域において優越した軍事力を維持する。アメリカは、この地域に覇権国が出現する事を許さない。

DPGの中に描かれるアメリカの潜在的な競争国(=敵性国)として描かれていたのは、ロシア、中国、日本、ドイツの四国である。 (※以上、伊藤貫著書より引用)]

伊藤貫
彼らの考えていることは、『日本をアメリカに依存せざるを得ない体制に組み込んでおいて、それで日本の経済をアメリカの金融業者とか大企業の株主がお金をいっぱい儲けられるように構造改革していこう』と。

[*日本をアメリカに依存させ、構造改革による金儲け ]

伊藤貫
日本の経済を利用して、アメリカ人がお金儲けして、でしかも、日本の自衛隊を『アメリカ軍の補助部隊』として!!使えるようにするけども、

西部邁
そうだね。

伊藤貫
日本が独立できるような能力は持たせないと。

[*自衛隊は米軍の補助部隊、独立能力は持たせない ]

西部邁
うん。

伊藤貫
でそっからすると、中国と北朝鮮が日本をターゲットにした核ミサイルを何百基持とうが、日本にだけは持たせたくないと。でここら辺でそういう動機があるから、オバマがワザとらしく広島に来て、自分の国の核兵器の予算は増やしながら、

西部邁
ンフッフッフッ(笑)

伊藤貫
ねっ?日本国民に対して、「世界から核兵器を無くすために一緒に努力しましょう!」と。

西部邁
プッ(吹き出す)

伊藤貫
これ英語で言うと、manipulation(マニピュレーション)なわけ。

[*アメリカは核兵器予算増やして、“世界から核廃絶” と “manipulation” 操られている日本人 ]

西部邁
あぁ〜。

伊藤貫
これだけmanipulate(マニピュレート=操る)されて気が付かない日本人というのは一体どういうことになっているんでしょうね?!

西部邁
猿なんじゃないんですか。

今村有希
(俯いて苦笑)

伊藤貫
いやぁ(笑)

今村有希
(笑)

伊藤貫
とにかく(笑)、これだけ都合のいいように操られてて保守派の人たちが(それを)言わないと。

[*アメリカに都合よく操られても自己欺瞞の自称保守派 ]

伊藤貫
それからもう一つは、自衛隊の幹部には(その現実が)分かっているんですよ。分かっている奴がいるんです。

西部邁
うん。

伊藤貫
僕がちゃんと喋って合うと、これはおかしいと。でもね、自衛隊の幹部の奴は、1対1のプライベートな場で喋ると、「これはおかしいよね、伊藤さん」と言うんだけど、絶対それは出さないんですよ!

[*アメリカの都合のよさを自衛隊幹部も表に出さず ]

西部邁
出さないね。

伊藤貫
うん。

西部邁
実はこの場でもね、ある方を呼んだ時にね、

伊藤貫
はい、

西部邁
僕が今度の安保法制?

伊藤貫
えぇ、

西部邁
アメリカが例えば、何処ぞこに侵略しようなどというね、それにくっ付いて来いと言われた時に、それを断るためには、日本が力を持ってないと断れないでしょうと。

[*アメリカに引きずられない日本の力を強化する必要 ]

伊藤貫
はい。

西部邁
個別的自衛力ね。まずは集団的自衛から始めましょうと安倍さんも言ってて、「自分で自分の国を守ることは出来ません」というところから事を始めて貰いたくないと。アメリカの不当な要請を断るなり、誤魔化すなり、焦らすなりするためには、日本がある程度の力を持たなきゃならないですよね?と元自衛隊の大幹部に言ったら、自衛隊の人がスルリと会話かわして、

伊藤貫
えぇ、

西部邁
何を言うかといったら、「日米が共同でリスクを負わなければ、アメリカから信じて貰えません!」というふうに話をズラしちゃってさ、僕それ以上やったらテレビでケンカになりますからね、

伊藤貫
えぇ。

西部邁
MXに迷惑かけちゃいかんから知らん顔してましたけど(笑)、もう全部そんな流儀ですね。自衛隊も含めて日本の保守派は、「アメリカの付属軍」であることに甘んじる以外にもう道は無いと思っているんだね。

[*米国付属軍として甘んじるほか道はなし:自称保守派 ]

今村有希
はい。

伊藤貫
ド・ゴール将軍(シャルル・ド・ゴール)が大好きなんですけども、

西部邁
あぁ!

伊藤貫
ド・ゴールさんが言ってるのは、アメリカを信用しろ信用しろとと言われるけども、アメリカは民主主義だろうが?!と(笑)

西部邁
ワッハッハッハッハー(笑)

伊藤貫
民主主義だったら、4年後にアメリカの大統領が誰になるかわからないだろうと!!で、4年後に誰が大統領になるか分からないのにその国を信用しろと言われても、信用する気になれないと(笑)

[*四年後のアメリカ大統領が誰か分からず信用ならない ]

西部邁
(笑)

伊藤貫
でそうなんですよ。

西部邁
スゴイねぇ(笑)

伊藤貫
4年後の大統領が誰なのか、誰も知らない人を信用してその人に命を預けて生きてゆくのが楽しい、これっておかしいわけね。

西部邁
そう。

伊藤貫
でもう一つ、ド・ゴールが言った言葉で僕が大好きなのは、『独立無きところにintegrity無し!』と。

[*「独立なきところにintegrity〔統合〕なし」 シャルル・ド・ゴール将軍(フランス) ]

西部邁
あぁ〜。

伊藤貫
で、『integrity無きところに独立無し!』と。

西部邁
そうだね。

伊藤貫
要するに、国家の独立と国民のintegrity(インテグリティ)というのはコインの裏表で、インテグリティを持っていない国民は独立できないんです。で逆に言うと、『独立していない国民はインテグリティが無い』と。

西部邁
統合された状態ね、integral(インテグラル)。

今村有希
はい。

伊藤貫
えぇ。いま仰った自衛隊の元高官が(はぐらかして)逃げちゃったと。自衛隊だけじゃなくて、外務省の事務次官も審議官も局長もみんな逃げるんです。

西部邁
そうでしょう。

伊藤貫
日本の保守派の偉い人たちは全員逃げちゃうんですね!

西部邁
そうね。

伊藤貫
僕はそれを見て、もう一度言いますけど、左翼がintegrityが無いのはどうでもいいのだけど(笑)

西部邁
(笑)

伊藤貫
保守派がintegrityが無いというのが、これが本当に腹が立つんですよね。

西部邁
いまの日本共産党が典型的ですけどね、本気じゃないんですよ。例えば、日本共産党が綱領でね、

伊藤貫
えぇ、

西部邁
自衛隊廃止!と言ってるの。仮に自分たちが政権を獲るなり近付けばですよ、必ず軍隊を持つ。んな事は、昔の共産党はそういうふうに言ってたし、

今村有希
(うん)

西部邁
左翼はそういうふうにテキトーなことを言ってますけど、左翼の言うことを本気にする必要もないんですね。

[*自衛隊廃止を綱領で謳うが、政権とれば軍隊持つ共産党

伊藤貫
(笑)

西部邁
ところが、日本の保守派は、非左翼と言われてる人たちは、

伊藤貫
えぇ、

西部邁
自衛隊の強化について、核武装はまず絶対に論じないしね、

伊藤貫
(深く頷く)

西部邁
或いは、徴兵制も絶対に論じないし、或いは、自衛隊費の倍増についても絶対に論じない。

[*自衛隊強化、核武装、徴兵、予算増を論ぜず:自称保守派 ]

西部邁
日本のその保守派がですよ、

今村有希
(うん)

西部邁
「もう斯くなる上は、アメリカの51番目の州にして貰えばいいじゃないか」ということをね、そういう発言が平気で許されるのね。

[*アメリカの51番目の州にと平気で言う自称保守派 ]

西部邁
アメリカ様がですよ、日本を51番目の州に昇格させてくれるハズが無いんですよ。理由は、日本は1億3000万人口を持っていますでしょう、投票で言えば7、8000万持っているわけですよね。7、8000万の票がどう動くかね、そんな恐ろしい国は州にして貰えないの。

今村有希
うん・・・

西部邁
せいぜい州以下の、それで先ほど言った「準州(territory)」ね。投票権は持たない。その代わり、いろいろ統治上の面倒を見てやるというterritory=準州、或いは、protectorate=保護領の位置に日本を置くと。

今村有希
(頷く)

西部邁
この70年間実質上そうだったんですよ。

[*準州 territory として統治の面倒を見る、保護領 protectorate に置く(戦後70年余) ]

伊藤貫
(深く頷く)

西部邁
アメリカはその味をもうしっかりと噛み締めているわけ。これを手放してなるものか!!と。アメリカの鉄の爪から逃げることは、僕が生きてる限りは起こらないだろうと。僕はもうじき死にますんで。

伊藤貫
はい・・・いやいやいや(笑)

西部邁
伊藤さんが死んだ後は、僕は(日本が)どうなってるかはよく知らんと(笑)

伊藤貫
僕はもうトランプという人間が大統領に相応しい人間かはかなり疑っているんですけども、それと同時にヒラリーが大統領になって欲しいとも思わないです。

トランプが出てきて、1つだけいいこと言ってくれたのは、アメリカの世界を支配するシステムというのは、そもそもアメリカのGDPが世界経済の50%だった時に出来たもんだと。

西部邁
あぁ〜。

今村有希
(頷く)

伊藤貫
今は16%か17%しかないと。そうするとトランプは商売人ですから、

西部邁
うん、

伊藤貫
要するに、軍事知識とか外交知識が無くてもほとんど本能的に「こんなのは割に合わない!」と。で無理に決まっていると。

[*アメリカによる世界支配はGDP50%占めていた時、“割に合わない” とトランプの商売人の直感 ]

西部邁
うん。

伊藤貫
6つか7つのイスラム教諸国で戦争してても全然負けてる。勝てないと。

西部邁
でも、途中で悪いけど、

伊藤貫
はい、

西部邁
アメリカのestablishmentは、日本のGDPはすでに自分のものだと計算に入れてるんじゃないの?(笑)

伊藤貫
ワハハハハ(笑)いやだから美味しい日本市場だから、放したくないわけです!

西部邁
(笑)

伊藤貫
トランプの言ってることで1つ理屈があるのは、彼は、「アメリカはロシアと戦争したくない」と。

西部邁
うん。

伊藤貫
だから、ウクライナ問題でもう(ロシアと)拗らせるのはやめてくれと。

西部邁
あぁ、やめた方がいい。

伊藤貫
それから、「アメリカは中国とも戦争したくない」と。だから北朝鮮が(核を)持っているんだったら、日本にも持たせて俺たち引き上げればいいと(笑)

[*ロシアと戦争したくない “ウクライナ問題”、中国とも戦争したくない “日本に核武装” ]

西部邁
あぁ(笑)

伊藤貫
トランプというのは非常にバカにされているんですけども、ただひとつ正しいのは、アメリカはロシアと戦争したくないよと。中国と戦争したくないよと。で、『ロシアと中国と戦争するのは割に合わない』と言ってるんですね、商売人だから(笑)

[*アメリカはロシア、中国と戦争するのは割に合わない ]

西部邁
(笑)

伊藤貫
で、それは実は正しくて(笑)、アメリカが本当にロシアや中国と軍事衝突するというのは、割に合わない話なんですね。

西部邁
うん。

伊藤貫
だから僕は、例えば尖閣問題だけじゃなくて、南シナ海の問題でも、アメリカと中国が軍事衝突するってことは無い!!と思うんです。

[*尖閣南シナ海をめぐる米中の軍事衝突はない ]

西部邁
僕もそう思うな。

伊藤貫
で日本の保守派は、「そんなことは無い!アメリカは日本を守ってくれるんだ!!」

西部邁
ンフッフッフッ(失笑)

伊藤貫
というのは、彼らの非常にchildishな願望で、英語で言えば wishful thinking(=希望的観測)というんですけど、

[*日本を守ってくれると保守派、wishful thinking ]

西部邁
あぁ、希望的観測ね。

伊藤貫
そうそうそう。日本の保守派は過去71年間、アメリカにしがみ付いていれば大丈夫だと、そればっかり繰り返しきたから、トランプみたいな人間が出て来て、(アメリカの)本当のことを言っても、

西部邁
うん、

伊藤貫
そんなことは聞きたく無い!!と。(※耳を塞ぎながら)本当のことを言うのはやめてくれ!!と(笑)

[*アメリカにしがみ付いてきた、戦後71年にトランプが台頭 」

伊藤貫
でハッキリ言って、アメリカが徐々にその東ヨーロッパとか中東とか東アジアから退いていくというのは、これはもうinevitable trend(イネビタブル・トレンド)。

[*東ヨーロッパ、中東、アジア、アメリカが退くのは避け得難い ]

西部邁
うん、避け得難い。

伊藤貫
避け得難いトレンドになると思いますから、だから日本の保守派と自衛隊防衛省、外務省は、ちょっとそこらへん真面目に考えないと、とんでもないことになりますね。

[*自衛隊防衛省、外務省、保守派が真面目に考える時 ]

西部邁
あぁ〜。我が愛する伊藤貫先生にご忠告申し上げる。自分たちの国家、政権に不都合な人間への・・・

伊藤貫
あぁ〜ハイハイ(笑)

西部邁
“暗殺命令”を最も大量に出したのは・・・

伊藤貫
オバマですね。

[*最も大量に暗殺命令を下してきたオバマ大統領 ]

西部邁
オバマさん。

伊藤貫
はい。

西部邁
(伊藤を指して)・・・そのうちにね、

今村有希
えぇ〜!(驚く)

伊藤貫
えぇ、そのうち。

西部邁
命令が・・・

伊藤貫
えぇ、そう(笑)

西部邁
愛駒に命下る可能性が無きにしも非ずだから(笑)

伊藤貫
あまり本当のことは言わない方がいいという。ハイ(笑)

西部邁
もう全世界がテロに見られるように、あれは単なるそのIslāmic Terrorと考えちゃいけなくてね、全世界が、もうある種の生きるか死ぬかという戦いに入っているんですよね。

[*全世界が生きるか死ぬか、戦いに入っている ]

西部邁
それは各国各様に、特に指導層はそのことを分かってて、

今村有希
(うん)

西部邁
そうであるがゆえに、一方では「あいつは殺してしまえ!」というね、

伊藤貫
(頷く)

西部邁
そういう暗殺命令に大統領が大量に署名するってなことも平気でやってるし、もう日本だけが自分たちはparadiseにおれると思って、アメリカに頼ってればどうにかなれるという、これ英語でいうところの bullshit=嘘話ね、嘘話を信じてもう71年、世界の全体状況が身の毛のよだつ状態へと刻一刻と近づいているんですね。

[*“アメリカに頼っていれば” bullshit 嘘話の戦後71年 ]

伊藤貫
はいそうです、えぇ。

西部邁
ともかく、そろそろワシントンD.C.を引き払って、

伊藤貫
いやぁ〜(苦笑)

今村有希
(笑)

西部邁
日本国家のために(笑)

伊藤貫
いや(笑)あのアメリカって国が世界を如何に間違った方向に引きずってきて、最終的にはアメリカもヒドイ目に遭うし、もしかしたら日本は完全に滅亡してしまうかもしれないし、

西部邁
(頷く)

伊藤貫
それからヨーロッパ、中東も混乱するでしょうけれども、アメリカは最終的に大失敗するまで、自分たちが大失敗したことを認めないでしょうし、そういう国民ですから。

西部邁
あぁ〜。

西部邁
IS(Islāmic State)との関わりでやられているという、あのテロが次第にアジアに近付いていますけども、それを狭いそのイスラミックなんとかという、狭い意味で考えちゃいけないのであって、

伊藤貫
(深く頷く)

西部邁
全世界がね、本当に秩序なき混沌と暴力の時代に刻一刻と近付いているんだということのひとつの現れとしてね、

[*テロにみられるように全世界が秩序なき混沌と暴力の時代に刻一刻と近づいている ]

今村有希
(頷く)

西部邁
あぁいう情勢が次第にアジアにも近付いていると。そういうところで、

伊藤貫
はい、

西部邁
3回、どうもありがとうございました。

伊藤貫
(深く礼)

今村有希
ありがとうございました。

【次回予告】米中露外交・改憲 「MX・表現者シンポジウム」