◼︎「原発」はいかに議論されるべきか (西部邁ゼミナール 2014/3/8)

◼︎「原発」はいかに議論されるべきか
西部邁ゼミナール 2014/3/8)

【ニコ動】『西部邁ゼミナール』
原発」はいかに議論されるべきか 2014.03.08


ゲスト:黒鉄ヒロシ

東北大震災による、福島原発メルトダウンからおおよそ丸三年に至る。

黒鉄ヒロシが重い腰をあげて、『世に蔓延る「反原発の運動とムード」に冷水を浴びせる。』

じつは今から二年前の新宿のさるBARにて、「脱原発」「反原発」の運動家たち、けっこうなお年の十人かそこらの人たちの前で、朝三時だったなぁ・・・言っちゃったんですよ。

脱原発反原発ってのは、どうもあれだね。みっともないね。』と。

「みっともない」というのは「見とうもない」だから、『見たくない』ってそんな感じですけども。

それでね、彼らその時に熱あげていましたので、非常にきわどい感じになったのですよ。ヤバイ雰囲気というんですか、ハハハハハ(笑)

都知事選が終わって、なんかねぇ、七十七八の人と、七十四五の人、「元首相さん」がね、お手手繋いで【脱原発】って、落っこちましたけどね、その候補。

小さい声で僕言うけど、
『ざまぁねぇ』って気が。(黒鉄爆笑)

黒鉄先生は、そういう意見は共有しませんけども(黒鉄「いえいえ」)なんかあの、『脱原発』今のケースで言うと、見事にね、例えば、お二人の御老体がね、この三年間、原発のことを真剣に考えた節は無いし、せいぜい言ってるのは、「核のゴミの処理場は無いだろう」などというね。

処理場が無いのは、他にたくさんありましてね、自動車の処理場だろうが、食物の処理場だろうが、つまり『文明』の。

ゴミのことを『debris(デブリ=残骸)』と言うらしいんですけども、最近覚えた英語なんですけども(笑)

nuclear debris(核のゴミ)のみならず、文明のデブリ。例えば、自殺三万人ですよ、毎年ねぇ。自殺した人をゴミと言っているのではなくて、【文明の被害・ダメージ】みたいなものは、(現代人の自殺を含め)他に山ほどあるんですよ。

(※【参考】平成12年と13年は三万人を切っている。去年の自殺者は2万7195人。それでも決して少ないなどとは言える数字ではない。

そういうことを全部さて置いて、なんか「放射線は目に見えなくて気持ちが悪い」とかって言ってさ、そういう程度の感性で、この間なんにも首相になった時にも、そのあと何も言ってなかった人が、突如、言って落選するっていうのは、『みっともない。』たとえば、そういうふうになるんですけどもね。先生はいったいどのようにお考えでらっしゃいますか?(笑)

原子力なんですけども、広島・長崎に原爆が落とされましてね、「除染」していないでしょう。

それからもう一つは、1954年ですか、ビキニ環礁で第五福竜丸ですね。「雨が降ったら、髪の毛が濡れると禿げる」、もう日本中が(当時)えらい騒ぎだったの。「マグロは食べちゃいかん」は、もう魚屋から魚が無くなる。でも、(当時の自分は)けっこう(雨に)濡れたんですよ。禿げてないんですよ(笑)

ということはね、例えば、よく「オーラが出る」って言いますね。ところが、あれは植物の研究をやった時に、中をレンズを通した時にボアっと出たんで、それをいわゆる仏像の光背(こうはい)を「オーラ」と言って、それで彼はもう一回研究し直したら、そんなものは出てなかったんですよね。「間違いだった。オーラなんか無い」と言ったのに、今だに一人歩きして「あの人はオーラがある」とか、「オーラを感じる」とか、だから一回なってしまったら戻らないんですよ。

さて、その【放射能】ですが、気になって調べてみたら、どうやら昭和2年にアメリカのマラー(*参照)という学者が、ノーベル生理学賞をとる人ですが、この人が「ショウジョウバエの研究」で放射能を当ててみると、2代目、3代目のところで異常が出たと言うんですね。

それで、照射率を変えれば変えるほど、顕著に現れるので、「これは完璧に放射能は身体に悪いんだ。」という説。これが、今だに世界中一人歩きしていて、で、後の研究で『それはショウジョウバエに限ってのこと』であって、他の遺伝子を持つ動物を含めて『そんな影響は無い』というんですよ。でも、間違いだったと分かりながら、それが一人歩きしている学問の怖さといいますか、原子力も同じだなって気がしますね。

(※参照:【ハーマン・ジョーゼフ・マラー】アメリカの遺伝子学者、1946年ノーベル生理学・医学賞受賞、有名な【LNT仮説】< Linear No-Threshold Hypothesis 線形(直線)閾値無し仮説>の元となった、1920年代に行われたショウジョウバエへのX線照射の実験で知られる

➡︎ここで、黒鉄ヒロシさんのお話では、正直「不足」と思い、以前、ゼミナールにご出演された、放射線研究の専門家である東京大学の医学博士 稲恭宏(いなやすひろ)氏の、このショウジョウバエの実験と、いわゆるLNT仮説の実態、及び、世間での誤解が一人歩きしている「低線量率の放射線の影響」について、非常にわかりやすくお話されていたので、その部分をここでピックアップさせていただきます。

ごくごく当たり前で幾つかお話をしたい
ICRP 国際放射線防護委員会の1920年代からの【LNT仮説】 Linear No-Threshold Hypothesis 線形(直線)閾値無し仮説

一言で言えば、1920年代に福島レベルより、100万倍から約1億倍強い、当時19世紀末レントゲン博士によって発見された、高線量率のX線放射線)をショウジョウバエの遺伝子修復機能がなくなった成熟精子の状態の所に照射をしたら、照射線量が比例的に突然変異が増えた、というのを元にしているのですが、一番の問題は、もう細胞分裂もしない細胞なんです。細胞分裂もしない細胞は絶対に癌化できないんです。

(DNA修復機能なく分裂▷癌化しない細胞のデータ)

この癌化しない細胞のデータをもとに、放射線放射能は自然界レベルの「極低レベル」ですら、当たると癌が増えていく、蓄積累積されるんだ、というとんでもない考え方を元に、核実験、核戦争抑止!という政治的な事に利用されてしまった、というのが世界的にわかるようになってきた

西部
科学と政治がこういう所で結びついている。ショウジョウバエってね、1億倍ですよ?(稲:それも人工的に作ったx線ですからね)それをもって突然変異が起こった、というんで、それが政治的に全世界にばらまかれた。みんなしてそう思っている。

ですから、余りにも非科学的で嘘ですのでね、ここ20年ぐらい特に「低線量率放射線医科学」というのが、発達して、世界中の研究グループがやっているのは、ほどこれは当たり前の事なんですがね。一億倍の放射線の強さ、線量率が違うものを、全く同等に議論する事がおかしい。

いちばん皆さんが【勘違い】させられてるな、というのが《低線量被爆による福島の発ガンとか白血病とか、これ大ウソなんですね。》

どういう事かと言えば『低線量』と言ったら、99%が『高線量率低線量』なんです。高線量率といったら、どれくらい桁が違うのかと言えば、福島の1億倍です。

1億倍強い放射線をほんの数秒~数十秒ぐらいポンと当てると「これは害が出るというデータが山ほどある」んです。ですから議論が、「低線量域ではわかってない」思われている首長さんや、首相官邸周辺、各議員さんが多いと思う。ですが、極低線量率毎時マイクロシーベルト・レベルというのは「1億分の1の極低線量率、極低レベル放射能環境、内部被爆、外部被爆とも、全く人体影響、生体影響、動植物影響、違うんですね。

ここに気づけばいいい。分かりやすくお話すれば、“率” の一文字が入っているか。低線量“率” と入っていないのは、ぜんぶ疑ってかからなければならない。

(※率 の一文字の理解で放射線放射能問題の解決)

「低線量、低線量放射線による発ガン」なんてあったら、まずこれは騙されるなぁと。国連決議、総会で、これ科学委員会でえ正式に承認、議決されて『国連決議』となったんですが、この後ですら、世界TOPと言われている某アメリカの大学や国立研究所などが、有名大学の中国系の教授などを使って、米中合同でやってるみたいなんですが、日本に対して『福島でまだまだ白血病や癌が増える』とまだまだ言っている。

で、その「講演タイトル」をみたら、やはり『低線量被爆(※“率” が入っていない)』と脅してるんですね。

しかし、1億倍桁の違う話なんで、出席された知り合いの官僚トップの方々から聞かれたので「じゃあ、皆さん、こうコメントして下さい。その講演が終わったら『では1億分の1低い福島と、あなたの研究はどう関係があるんですか?』と」で、その先生の経歴や研究業績を調べたら、やはり1億倍強い放射線しか、それもシャーレの中の細胞しか、ほとんど扱っていないような先生なんです。

全く違う【情報戦なんです。日本弱体化の為の情報戦でやられていた、だけ】と。

日本の歴史、伝統、文化なんですね、これ内部被爆でラジウム放射線で内部被爆、外部被爆だけだと効果は限定的なので、いっぱい深呼吸をして呼吸器系取り込んで、肺のとなりは心臓です。肺動脈・肺静脈でものすごい循環。それから血管、リンパ管で全身循環、内部被爆を行う。それから飲泉療法ってね、ラジウム温泉を飲みますね?あれは消化器系から入れて、これも血管リンパ管を通じて全身内部被爆なんです。これがもう、浴室だけでも福島より高いぐらいですね。毎時数十マイクロある所がたくさんある。

ですから、冷静に考えて日本には「湯治」という素晴らしい文化があって、いい事やってきているんですね。

で、今回、【一番の間違い】と言っていいのは《自然界に存在しない放射性物質が放出された》という報道が多くて、これで脅されたと思うんですね、国民の皆さんは。「これは事実ではない。」

実際には、今回、原発から放出された放射性物質は全て、全て、自然界にもともとある放射性物質です。これが放出されたに過ぎません、と言わなきゃいけないのだが、どこのキャスターもアナウンサーもこればっかり言っている。

それから、放射線の防護、測定の専門家の先生、原子炉専門の先生というのは、放射線の医学、特に低線量「率」の医科学は全くの素人ですからね。分からないんです。分かっていても「LNT仮説」程度。で、一部の放射線科の臨床の先生も、臨床の先生が使ってるのは、福島より100万倍とか少なくとも10万倍強い、上のCTとか、それから癌治療は1億倍ぐらい強いですからね。(1分で1.5~2シーベルト、小児がんの場合も当てます)

ですから、線量「率」が全く違うので、どっちかといえば、LNT仮説のような考えをして、ずっと何十回も何百回も当たれば危険なので、プロテクターをつける。これは良いのです。ですが、放射線の強さが「1億倍かけ離れた考え方」をしないと、何も解決しない、という事なんですね。

事故当時の政権が「暫定規制値」というもの考えた。これはですから世界も認めたように「非科学的LNT仮説」1920年代当時の発想のまま作り上げた【政治的規制値】過ぎなかったので、《世界中から日本は笑われている》んですね。ですから新政権には一刻も早くなおしていただきたい。

あと「避難基準」で、年間20~100msv で、民主党政権は「下限値の20msv」を採用したんですね。それでも「わーわーわーわー不安が収まらない」ので「1msvまで下げた」と。

で、これは年間1msv、外部被爆だけ、内部被爆だけ考えても、世界平均の自然放射線が、およそ1.4~1.6msvぐらいありますからね。『自然放射線以下にどうやって、神技を使って下げるのか?』という、これも笑い話なんですね。

ですから、冷静に普通に科学的に考えれば、なんと愚かな、馬鹿な事をやったのか、という事なんですね。

➡︎以上、抜粋終わり。本編に戻ります。

この番組で三年前ぐらいに及びした稲さん(東京大学医学博士 稲恭宏氏)という方、僕は専門ではないから責任はとりませんがね、彼が(黒鉄「僕もとりませんよ。笑」)

彼が言うには、放射線【率】、このRate(率)が大事であると。放射線量と放射線率(正確には「放射線量率」)、この【率】とはどういうことかと言えば、ある短い期間、分母を「Δt」(※デルタ・タイム、Δ期間)、分子を「ΔR」(※Rは
radioactive=放射性)として、『ΔR/Δt』、つまり『短い期間にどれだけの放射線が当たるか』ってね。これが『大きい』と、確かにダメージがもちろんあるけども、たとえば、放射線量だって「長い時間をかけて」ね、ゆっくりとやれば、人間になぞらえれば、例えば、プロレスラーが、僕の頬っぺたをペタペタペタペタと(※頬に手のひらで触れる程度の力で)1年分撫でていれば、僕は幸せいっぱいの一年間ね、なんのダメージも無い(笑)でも、1年間分をいっぺんにくると、だいたい気を失うなり死ぬなりする。

放射線『率』を議論しないで、放射線『量』を議論しているこの【馬鹿さ加減】ということを、この場で二回にわたって(稲先生が)言ってくれている。僕は専門家じゃないけど、だいたい分かる話だなぁと思う。

それからね、もう一度、黒鉄さんこの番組を見てくださっていたかどうか。これも三年前に、国連放射線影響委員会(※正確には『国連原子放射線科学委員会(UNSCEAR)』)と言ったなぁ。イニシャル忘れましたけども、そこが正式発表して、要するに、、

福島原発のあれ(影響)は、いまだ人体の健康に何ら影響を与えていないし、今後も与えないであろう。』という正式発表をして、その発表のビデオまで作って、全世界にも配っているにも関わらず、日本のあらゆるメディアはそのことについて公表しないどころか、(その正式発表のビデオまで)送られているのに、新聞社で言うと、外信部がその存在に“気付かない”というね。

それこそ色眼鏡で見ちゃうと【全部素通り】していっちゃったという。

あるいは、意識的に止めているかですね。

意識的かどうか。A新聞・・・朝日(朝日新聞)じゃないんですけどね(笑)

A新聞は、この番組見た外信部は慌てて、それはね、意識的ではなくて【気付かなかった】らしいです。ニュースがそのまま素通りして、『人体に影響ナシというニュースが人の目に入らなかった』という(笑)まぁ、今ではどうでもいいのですけどもね。

➡︎では、その時の放送内容をもう一度抜粋します。

▷稲恭宏
大きな動きとして、千年に一度の大震災、原発事故からちょうど一年後、2012年の3月に、【国連原子放射線科学委員会 UNSCEAR】と【国際放射線防護委員会 ICRP】が、、

『福島も東北も日本も全く、放射線放射能問題が無い。それまでも何の健康被害も出ていないし、今後も悪影響が出るという事は極めて考え難い』

科学者がこの言葉を使う事は『まず無い』と、云う意味なんです。

ですが、ご承知の通り、日本国内ではほとんど(この事が)報道すらされていない。これを国民の皆さんに政府がキチンと発表して知って貰わないと、何も復興できない、というのがまず一つ。

西部
(福島の放射能は)ノー・プロブレムだ、と国連がね。勿論、国連だって間違っている可能性はあるんだけども、稲先生のそのお話を聞いて、ある新聞社(※A新聞=朝日新聞。笑)に小さな原稿を書いた。

「おかしいじゃないか?」と。

そしたら、その原稿に対する反応が1週間近く、ノー・レスポンス。あの原稿がどうなったか、実は笑ったのが、いろんな大きな新聞社に「科学部」ってのがあるが、そのニュースは世界的通信社であるロイター通信が全世界に配信している。ですから新聞社の科学部は当然、それを受けている。受けたんだろうけど、偏見があるから、そのニュース(ロイターの配信ニュース)が素通りしちゃったんでしょうね。そうしたら科学部の名誉に関わるでしょう?

「西部とかいう奴の原稿をどうしよう」と。

これ(西部の原稿)発表しちゃうと、我が社科学部のとりわけ恥である、と。これ僕の推測ですけども(笑)そういう冗談みたいな事がある。

➡︎こういうやりとりでした。本編に再度戻ります。

その先生の仰った『率』の前の『量』の問題でね、「幽霊が存在するから、みんな発表を始めている」わけですね。「幽霊は何か」とか、正体が分かってからスタートすべきなのに、ずいぶん遠くへ来てしまって、「今さら幽霊は居ないんだよ!」と言うと【袋叩きにあう】わけですよ。もう「幽霊は居るもんだ」と世の中(※の空気)が決めてしまっている。

ただ、一部の学者だけは、まぁ表で言うと『石が飛んでくる』から言うのはヤメておくけども、薄々内々では言っているという気配を感じはじめたんですよ。

でも、これ「幽霊がいる」として行くと、なんというか、(西部)先生さっき仰ったエネルギーの問題で、石炭でも必ず変なことが起きましたよ。石油でも起きましたでしょう?で、これ人智が及ばないので暫く経って、それからなんとか対応が出来るということで、昔は『馬』ですよね。でも「馬糞の処理はどうするか」みたいなことになって、、

(西部の出身地)札幌では馬糞は処理しないから、昔ね。有名な【馬糞風】というものがあって(笑)春の風が吹くと、札幌市内は馬糞と共に一面、薫風と言うんですか?「薫り豊かな風」が吹いていたもんですけどね(大笑)

笑。それだけでも悪いもんじゃなくて、アオスジなんとかアゲハかなぁ?(※アオスジアゲハです)よく、そこに蝶々が舞って、「馬糞も悪いもんでもないなぁ」とか。でもそっからえらい遠くに来たもので、『石油』に至りましてはずいぶん困りましたでしょう?

何を言いたいのかというと、【エネルギーの発展と共に人類がある】わけですよね。その時に、石油でも困りましたでしょう。石炭で中国は『PM2.5』いろんな影響があるんですけども、【これを解決するのが「人類の知恵」】で、どうするか、ですよ。「やめちゃおう」というのは如何にも短絡で、その前に幽霊の正体をまず見るために次元をまず戻したいのですけどもね。

先ほどの、debris(デブリ)、ゴミで言うと、まぁ確かに『核廃棄物の捨て場所』なんて無いことは、僕、小泉さんじゃなくても細川さんじゃなくても分かるんですよ。

でもね、今(黒鉄さんは)『火力発電』のことを仰ったけども、石油でも石炭でも『CO2、二酸化炭素』ね、あれの捨て場所も無いどころか、あれは要するに累積して、本当かどうかは知らない。僕は信じていないんですけども、いわゆる『地球温暖化』は、僕はその説を疑っていますけどもね、CO2による地球温暖化説を。でも、みんなして「そうだ、そうだ」と言ってて、そして『CO2の捨て場所なんかどこにも無い』、空中高く上がっていって、それについて一言もナシに、「核のゴミの捨て場所が無いから脱原発で都知事になります」と言われたってね。で、みんなしてあれでしょう。『使っているわけですよね、電気を』ね。したら、石油とか石炭、風とか波もあるらしいけども、それは今のところ1〜2%、せいぜい頑張って4〜5%でしょう。(※太陽光なども含めた再生可能エネルギー全体での話)

そういう議論をしない、なんと言うんでしょう。あの人たち【阿呆】なのか、【嘘つき】なのか、【人を舐めている】のか、選挙民は分からなくなるよねぇ。分からないというか、今言った全てなんでしょうけどもね。【困ったもんだな】というのが、すごく気になるんですよね。

(小林)麻子さんはどうなの?

▷小林麻子
いや、問題だらけで・・・。(突然振られて激しく困惑顔)

実際、あぁいう人たちに投票したんじゃないの?(ものすごく意地悪そうな顔で。笑)

大爆笑!!

▷小林麻子
いえいえいえ・・・(滝汗)

違うんですよ、問題だらけで。もうね、だから(いっそのこと)「電気をやめたらいいのに」って思う(笑)

でもね、それのが気持ちから言うと、脱原発言うなら、気分的に言うと【脱電力】という方がまだしも、つまり、文明というのは厄介でね。焚き火の時代から、焚き火でヤケドした石器人もいるんですからね。まぁね、そういうことを言う方が、まだ面白いよね。

▷小林麻子
はい。

原発を巡ってね、要するに、【予測出来ない事故の場合の対応する責任は、電力会社じゃなくって『政府』にあるって、何の法律か忘れちゃったけども(※参照)書いてあるんですよね。

(※参照「原子力賠償法」
⇒「原子力損害の賠償に関する法律」昭和三十六年六月十七日法律第百四十七号

第二章 原子力損害賠償責任
(無過失責任、責任の集中等)

第三条  原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。《ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるときは、この限りでない。》)

なんか僕の記憶じゃ、あれは800年とか1000年に一度の大津波でしょう。【んなもん予測出来ない】のですよ。

いったい二年も三年も続いている《東電の責任》ってのは、あれは何なのか!?東電が1000年に一度のものを予測して対策していなかったのが「責任」なのかと言ったら、これね、【阿呆な話】になっちゃうでしょう。でもそれ(※阿呆な話・阿呆な議論)が何年も続いてるのよ。

で、都知事選とかおかしかったですね。あれだけ、三年近くね「脱原発!」「お〜!その通り。」次に「東電の責任だ!」「お〜!その通り。」って、そういうことを言った人が『落選』しているのね。選挙民もズルいですねぇ(笑)

いや、ただズルいんじゃなくて、常識がね、遠望した時にわかったんじゃないか。これはちょっと語弊があって言いにくいのですが、イギリスで問題がありましたでしょう?日本で、広島と長崎の両方で被曝して、九十幾つで亡くなった人に対して、イギリス人が「だって長生きじゃん」と言ったってね。でこれね、イギリス人特有のユーモアというか、ブラックユーモアね。で、日本からの抗議を受けて訂正しましたが、表装の礼儀作法とかそういうのはいいのですが、確かに「長生き」ではあるんですね。キューリー夫人も八十幾つまででしょう?

いやそれは、舞台が云々ということもありますから、内部のこともありますから一概には言えないのだけど、『即座に健康被害があって亡くなるものではない』という、これがつまり遠望した時のヒントなんですよ。さっきの広島・長崎で、除染していないのに「元気じゃん」というね。そう言えば、広島・長崎の人は怒るでしょうね。「そんなことはない。大変に健康被害があって」と。だけども、よくよく輪郭だけを見た時に、【そんなに結論を急いでいいのか】、これが素人の考えの、、

そうそう。もっとも控え目に言えば、そういうことなの。そんなの結論を急いで、しかもみんなで【興奮したフリをして】、要するに大行進だの、大署名運動だの、みっともないぜ、ってね。子供ならいざ知らず、大人ならばね。まぁ、その程度のことなんですけどもね。

で、(西部)先生、ヒントがいっぱいあって、チェルノブイリの事故からずっとあそこに住んでいる夫婦なんていますでしょう?そのまんま。「私たちはもういいから、ここにいる」と。お元気なんですよね、今だに。ということは、何か『疑ってかかるべきことを我々は忘れちゃって、決めている』恐れがあるんですよ。

そうそう。チェルノブイリの場合は、これも本当かどうか知らないけども、僕の知っていることで言えば、チェルノブイリがちょっと問題が起こってしまったのは、(当時)【あのソ連】ですからね、情報なんか公開しないわけで、爆発してもね、原子炉が。そもそも福島原発は【爆発したのではなくて、溶けだした(メルトダウン)】わけで、そこで違いますけどもね。(チェルノブイリは)バーンと原子炉爆発して、それを情報を伏せたものだから、その辺りの汚染された草を牛が食うでしょう。すると(体内で)濃縮されてくるんですね、いろんな。それを今度ミルクを絞って、さらに濃縮されて、さらにその「濃縮ミルクで赤ン坊用のミルクに」して、それを何も知らされていないお母さんたちが、自分の産んだ赤ン坊に「あ〜よしよし」と飲ませて、それを「何ヶ月も飲ませていて、何かの発症が起こった」というね。それも本当かどうかは知りませんが、本当だとしても、【それと(福島のケースとを)同列に扱う】んですね。

だから、本当に『情報』というのは、「情報社会だ」と言いながら、アテにならんですね、この世は。

諸悪の根源が【authority(オーソリティ)】でしょう?最初にやった人が、間違えた研究を発表して結論を発表したら(※マラーのショウジョウバエの研究)大衆はそれに従うわけですよね。「違う!」と言っても、歩き始めたらそのまま行っちゃうっていう、だから、【絶えず、疑ってかかる】というね。

【Skeptical=懐疑的】という、あんまりいい感じじゃないんですね。「何でも疑ってみせる」という。でも、元々はいい意味で、Skeptical(スケプティカル)というのは『考え深い』という意味なんですよね。やっぱり人間考え深いとね、「考え深い」ということと「疑り深い」ということは同じじゃないけども、非常に密接なるでしょう。『考えない人は疑わない』とこうなる。(小林「そうですねぇ。」)

いや、(黒鉄)先生ね、僕が十九、二十の頃は僕は「それ」だった。「その通り」と。例えばだけど、「革命だ!」⇒「その通り!!」、どんな革命か?「暴力革命!」⇒「その通り!!」見たこともない革命について、暴力を振るったこともない僕がですよ、何がその通りだ、と思って(笑)

ただ、僕が二十歳の頃はそれを言いながらね、我ながら「俺は困ったもんだなぁ〜」という自覚は多少なりともあったけどもねぇ。

ってなことが、この天下の『脱原発』問題にずっとつきっぱなしなんですよ。でもね、この問題どうするんでしょう。あれだけ嘘というか、表面的なことを振りまいて、今度の都知事選に見られることは、『問題さえが自然消滅するんですか?』・・・「そういえば、福島原発ってなぁ、メルトダウンがあったねぇ〜」なんて話になるんですか、(小林)麻子さん?これだけ三年間大騒ぎしたのよ、日本人たちは。

▷小林麻子
いやぁ・・・はぁ・・・。

でもね、【本当は気にしていない】ですって。困ったもんですよ。

小さい方(小泉)と細い方(細川)がお出になったんですよね。小さい方(小泉)は、「このまま運動を続ける」と。

小なんとかという人と、細なんとかという人ね(笑)

本当にやるんであれば、研究をして欲しいのですよね。『原子力とは何か。放射能とは何か。』そこからスタートしてくれないと、また四方を惑わすわけですから。

僕ね、一時が万事ということもあるけども、このことはどうでもいいのですけどね、僕ね、細なんとかって人の年齢をよく存じあげなかった。今度始めて知った。僕よか二つぐらい上、僕は今度75になるんで、77歳になる。それでね、小なんとかという人は、僕の記憶では、首相されてた時に、『75を過ぎたら政治家は引退すべきだ!(首相当時の小泉純一郎の発言)』という説を唱えて、中曽根という方と宮沢喜一という方を政界から追い払ったのね、75を過ぎているという理由で。『都知事っていちおう“政治家”なんでしょう?』

都知事は政治家ですね(苦笑)

じゃあ、なんで「75」過ぎた人とお手手繋いでやるのかねぇ〜?!

だから要するに、『原発問題をどう論じるか』ということと『政治家の年齢問題をどう論じるか』ということと、全く関係ないようだけど、【論じ方】においての、この場合は《デタラメ》ですけどね、【デタラメにおいて(原発問題と政治家の年齢の両問題の論じ方について)共通している】というところがあるんですよ。

僕は個人攻撃をしているんじゃなくて、こういうことが天下の大道を罷り通っているわけですよ。一年のみならず、十年のみならず、平成で言うと26年か。嫌なもんですねぇ。

あれはおそらく、本人のことはさておいて、「さて世の中は75(歳)以上はいかんぞ!」ということなんでしょうね。

そうなんでしょうね。

森なんとかさん(森喜朗)は、二人(小泉・細川)のことを「老害だ!」と言っといて、自分が就任したでしょう、オリンピックの。(※組織委員会会長)だから『自分をさておく』んでしょうねぇ。

まぁ、僕もそのくせあるけども、「あいつは阿呆じゃないの?」・・・自分はさておき(笑)まぁ、その可能性はある。

その件はいいですよね(笑)それと、その立場はね。

それから、黒鉄さん、むかし何年か申し合わせしていたら、こんなことをバラしてもいいんでしょうね。私生活の一端、たいした話じゃないんですけどもね。

(黒鉄さんは)ロウソクをたくさんお持ちなんですって。

ええ。別にロウソクだけですよ(笑)

つまり、【谷崎潤一郎】の『陰翳礼讃』ってご存知?陰翳・・・暗さね。この反対は「光明」だとしましょうか。原子力だとか、エネルギーの明るさね。・・・『うるさい』と。『ほのかな薄暗さの方がいいじゃないか』と。

日本の便所で言うと、薄暗いところで、馥郁(※ふくいく)たる臭いがあって、あれでいいじゃないか、ってなこと、なかなかね。

僕はね、谷崎潤一郎を礼讃しているんじゃないんですよ。でもね、そういう説もあることはある。陰翳礼讃。あなた(小林)と同じさ。『電力反対』ってね。

▷小林麻子
あっ・・・はい。

でもね、それはいいんだ。認める。認めるけども、果たしてね、それこそ自分はいざ知らず、ましてや僕のようにもうじき死にゆく人間は、明るかろうが暗かろうがどうでもいいのだけども、本当に今の人類が、この「陰翳」に、黒鉄さんでも時々、ロウソクで生活なさっているみたいなんだけども、果たしてこの「東京都民」1千200万人、日本の1億3000万人がさ、『陰翳の中で暮らす気力・元気その他あるのか?』と言ったら、ハッキリ言ってないわけでしょう。

無いですね。

そういう問題も引っかかってきてしまうのですよね。だから、その時に諦めなければならないわけさ。電力反対だけども、あなた(小林)お化粧するときに、ロウソクの光でするわけじゃないんでしょう?

▷小林麻子
(困った表情で)そうですねぇ。でも、なんとか鍛えていきたいなって。思うんですけども・・・はぁ、難しい。

鍛えて?(笑)

【過剰に明るい】でしょう?

そうそう。

それから、ロウソクっての、それは別にね、「ミステリー」を読む時に、ロウソクで読んでみるとめちゃくちゃ面白くなるんですよ。

あぁ〜、なるほど。

▷小林麻子
あぁ〜。

(ロウソクは)舞台装置のようなもので、それからあの、それから昔のみんなが誉めそやす絵画は、ほとんどロウソクですよね。(西部「あぁ〜なるほどね」)あとは太陽光線でしょう、せいぜいが。それに電気の無茶苦茶な白色光かなんかを当てた画が、果たして無味乾燥に近くなりゃせんかというね。

同じですよ、焚き火、あるいはそっちの良さを持ちながら、『時々、明るい、暗い』という。

自分はね、気分のベースは「陰翳礼讃」だけれども、陰翳の中では親も自分の子供も自分も「暮らしきれない」という文明に中毒している人間です、と。「勘弁して下さい」みたいなことを朗らかに、正々堂々と言わないとね、『脱原発』なんて言われたって。

だから、日本社会、世界各国、まだまだ成熟していないんですよね、『自分のことはさておいて』ってね(笑)

さておいて(笑)

成熟していれば、「陰翳礼讃」を始めようかというね。

でも、そろそろあれですよね、今日(この放送を)やった意味は、なんかこういう黒鉄先生なんかと、なんというかなぁ〜、理屈とか事実の際ながら、気持ちのベースのベースがどんなふうに、この【「原発文明」の問題】を感じてるか、ってことを少し正直に素直に喋っていい頃ですよね。

【紋切り型のスローガン】だけ掲げて、大の大人が・・・ってことで、麻子さんからそういう人たちに『お叱りを与えるように!』(笑)

(小林へ)よろしくお伝え下さい(笑)

▷小林麻子
・・・はい。(苦笑)